健康であれば気軽にできるボランティアの一つに献血があります。血液はいまだ人工的に造ることができず、長期保存することもできません。病気や怪我など、患者さんによっては大量の輸血を必要とする場合があります。こうした輸血に必要な血液を確保するためには、一時期に集中することなく、定常的に1日あたり約13,000人の献血協力が求められているのです。

●献血の実状

 2022年は年間で約500万人、1日平均では約14,000人からの献血協力があり、そこから精製された輸血用血液製剤約500万本が医療機関に届けられました。こうした献血によって賄われている輸血用血液製剤の約85%は、50歳以上の高齢者医療に使われています。そして、献血者の約60%が50歳未満であり、10〜30代といった若年層献血者数は減少傾向にあります。加えて少子高齢化の進行、輸血用血液製剤の安定供給が危ぶまれるところです。

 こうした実状から、献血事業を担う日本赤十字社では、若者に人気のあるアニメ作品などのキャラクターを使ったプロモーションを積極的に展開しています。2023年には人気アニメ「SPY×FAMILY」や「僕の心のヤバイやつ」とコラボレーションをしており、オリジナルグッズなどが作られていることも。

●献血はドコでできる?

 お住まいのロケーションによっては、なかなかその機会を知ることが難しい献血ですが、献血バスや、献血ルームのある街頭での呼びかけなどで、ご存じの方も少なくないでしょう。

 日本赤十字社の血液事業は、平成31年3月31日時点で、全国54の血液センターと172の付属施設において運営されています。同社ウェブサイトでは、都道府県別に、献血ルームの所在や献血バスの運行を検索することができます。

 献血は、16〜69歳までの健康な方に協力を求めています。

 献血の種類は、基本的に3種類。全血献血(200ml献血・400ml献血)と成分献血 です。全血献血はその名の通り、血液そのまま献血することで、成分献血は血小板や血漿など、特定の成分のみを献血し、その他の赤血球は体内へ戻すという方法になります。

 献血の手順は以下の通りです。採血量、内容によりますが、時間としての目安は、受付から休憩を含めて、1時間から2時間くらいと想定してください。

 1.献血受付
 2.質問への回答
 3.問診/血圧・体温測定
 4.ヘモグロビン濃度測定/血液型事前検査
 5.採血
  → 全血献血では、200mL・400mL10分から15分位
    成分献血では、40分から90分位
 6.休憩
 7.献血カード受け取り

 献血できないケースもあるので、以下項目にご留意ください。

 ・当日の体調不良、服薬中、発熱等の方
 ・出血を伴う歯科治療(歯石除去を含む)を受けた方
 ・一定期間内に予防接種を受けた方
 ・6カ月以内にピアスの穴をあけた方
 ・6カ月以内にいれずみを入れた方
 ・外傷のある方
 ・動物または人に咬まれた方
 ・特定の病気にかかったことのある方
  → 心臓病・悪性腫瘍・けいれん性疾患・血液疾患・ぜんそく・脳卒中等
 ・海外旅行者および海外で生活したことがある方
 ・輸血歴・臓器移植歴のある方
 ・エイズ、肝炎などのウイルス保有者、またはそれと疑われる方
 ・クロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)の方、またはそれと疑われる方
 ・妊娠中、授乳中等の方

●献血の意外な特典?

 献血には、休憩が必要で、この時間をふくめての空間サービスを有効に活用する若者も増えているようです。

・「スマホの充電ができる利点もあるので定期的に献血してますよ」20代・会社員

・「新宿や渋谷などの献血ルームはロケーションもよいので、観たい映画の時間調整にうってつけかな」20代・会社員

・「マンガも読めるし、アイスやお菓子もあるので、ヒマなときの合い言葉は“献血いく?”です」10代・高校生

・「友だちに誘われた渋谷の献血ルーム!混んでいるスタバにいくよりいいかもです」10代・高校生

・「場所によっては占いコーナーがあったり、なにより飲み物が充実しているのが魅力。静かなので授業の合間に課題を片付けに献血することも」20代・大学生

 人のためになって、自分にもメリットのあるという、そんな声も聞くこともできました。

 重要な社会貢献となる献血、個人のメリットも確認しつつ、一時的なブームになることを避けつつ定常的に血液が確保できるように、まずは公式サイトから予約して、献血体験してみるのはいかがでしょうか。

<参考サイト>
・日本赤十字社
http://www.jrc.or.jp
・Haemovigilance by JRCS 2022
https://www.jrc.or.jp/mr/relate/info/pdf/Haemovigilance%20by%20JRCS%202022_Jp.pdf ・厚生労働省:血液事業の情報ページ
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iyakuhin/kenketsugo/index.html