アリババとテンセントの新たな一戦が幕を開けた。

7月31日、アリババと不動産大手「易居中国(E-House China)」は株式引受協定を締結し、アリババが8億2810万香港ドル(約110億円)相当の易居の株式を取得した。買い増し後、アリババは易居の株式の約8.32%を保有することになる。

両者が署名した転換株式の引受協定によると、アリババが株式を転換した場合、易居の約13.26%の株式を所有することになり、2番目の株主となる。

易居は不動産データに基づく物件取引サービス業者で、今回はアリババにとって初めての投資ではない。2018年に易居が香港市場に上場する前にも3億9000万香港ドル(約50億円)相当の新株を引き受けており、易居の4大コーナーストーンインベスター(中核的投資家)のうちの1社となっている。

テンセントとアリババは、不動産取引の分野で再び相まみえることとなった。

同じ7月には、テンセントが第二株主となっている不動産情報プラットフォーム「貝殻找房(ke.com)」が、米国市場に上場目論見書を提出した。2019年、同社はテンセントがリード・インベスターを務めたシリーズBで8億元(約120億円)を調達しており、上場目論見書によるとテンセントは12.3%の株式を所有している。

貝殻找房への投資はテンセントにとって単なる財務的な投資ではない。昨年、WeChatPayのメニュー画面に貝殻找房へのリンクが設置され、これによって貝殻找房は大量のアクセスを呼び込む入り口を獲得した。

アリババが今回再度、易居への投資を行ったのはテンセントと同じく、不動産業務との結び付きを強化するためだ。7月31日のリリースによると、アリババは易居との戦略提携枠組み協議も締結し、オンライン・オフライン双方における不動産取引、デジタルマーケティング、取引完了後の関連サービスなどの分野で提携していくとのこと。

具体的にはアリババと易居は合弁会社を設立し、第一段階では50億元(約760億円)を投資し、アリババが85%、易居が15%の株式を所有する計画だ。両者は共同でオンライン不動産マーケティングプラットフォームをリリースする。

貝殻找房のビジネスモデルと比べると、易居のビジネスモデルには偏りがあり、不動産開発業者に依存する部分が大きいが、アリババとの提携によってオンライン業務を強化し、オンライン・オフラインプラットフォームの枠組みを完全なものにしていくだろう。アリババが不動産取引市場へ進出したことでより注目すべきはその将来性だ。

目下のところ、アリババとテンセントの不動産取引分野の布陣からすると、テンセント系の貝殻找房の方が規模も大きく有利だ。

作図:36Kr データ:貝殻上場目論見書、金融情報プラットフォーム「Wind」

易居の2019年の決算報告書によると、同社の売上高は新築物件販売代理サービス、不動産仲介ネットワークサービス、不動産データおよびコンサルティングサービスの3つから構成されている。そのうち新築物件販売代理サービスが総売上高の50%を占め、第一の収益源だ。しかし、同業務の売上高は前年比で3.9%下落している。一方で不動産仲介ネットワークサービスの売上高は前年比742.5%増の35億5000万元(約540億円)となっており、大きなポテンシャルを秘める。

貝殻找房にも中古住宅取引サービス、新築住宅取引サービス、新規事業の3つの業務がある。その中で、中古住宅取引サービスが2019年の売上高が最も大きく53%を占める。しかし売上高の伸びから見ると、新築住宅取引サービスが急速に伸びており、2019年は前年比171%増の202億7400万元(約3100億円)となった。
(翻訳・普洱)