2025年に大阪市を廃止して四つの特別区に再編する「大阪都構想」の賛否を問う住民投票が11月1日に行われるが、投票権があるのは大阪市民だけ。ほかの大阪府民はどう思っているのか。「大阪のおばちゃん」を代表して、ご当地アイドルグループ「オバチャーン」のセンターを務める舟井栄子さんに語ってもらった。(聞き手 共同通信=岩田朋宏)

 ―新型コロナウイルス禍の中ですが、最近の大阪はどうですか。

 観光名所・通天閣のある新世界を歩くと、今は人が少なくてがらがら。老舗ふぐ料理店「づぼらや」は新型コロナの影響もあって店を畳み、シンボルやったふぐの大きなちょうちんもなくなりました。殺風景やなと思います。やっぱり寂しい。外国人観光客も見かけんし、大阪の勢いは落ちてますわ。私たちのグループの活動も自粛、自粛で全然よ。

 ―大阪都構想の住民投票が近く行われます。都構想のことはどう思いますか。

 東京に何かあったときに大阪が首都機能を担う「副首都」を目指す都構想の考え方は大切やと思います。何年か前に「サバイバルファミリー」という映画を見ました。東京の電気や水道、交通機関が突然、全部ストップして大変なことになるあらすじなんやけど、こんなことが現実に起きるかもしれん。大阪が東京をカバーできるようにしておかないとあかんと思いますわ。

 ―推進派は住民サービスの向上や二重行政の解消をメリットとして掲げています。

 人口が多い大阪市では市長が1人しかいないより、都構想で掲げているように四つの特別区それぞれに区長がいた方が住民の声が届きやすいんとちゃいますか。あと、インフラ整備で大阪府も市と同じことをしていたら、それはやっぱり二重行政で税金の無駄遣いですわ。公営住宅もなぜか府営、市営とある。なんであれ分けるの、思てて。都構想には良い部分もあるんかなと思います。でも、納得できない人もいる。その理由を聞いてみたいです。

 ―どういう論戦が望ましいでしょう。

 私は大阪市民ではなく、堺市のおばちゃんやから細かい話は分からんけど、賛成派も反対派も一方的な主張だけじゃなくて、メリットとデメリット両方並べて伝えてほしいと思います。

 ―大阪市の有権者に言いたいことは。

 今は若い人よりも年配の人の方が多い世の中。今回、どの世代がどれだけ投票に行くか分からんけど、目先の損得だけでなく、自分の子どもや孫とか次世代のことも考えて判断してほしいです。同じ府民として、大阪全体が景気回復や良い方向に向かう結果になってくれたらうれしいわ。2025年には大阪・関西万博も開かれます。大阪が元気になるよう、私らも盛り上げるお手伝いをしたいです。

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 ふない・えいこ 1948年、大阪府富田林市生まれ。「オバチャーン」センターとして大阪弁で歌い、ヒョウ柄の衣装で踊る。大阪府警などのPRにも協力している。