【AFP=時事】米大リーグを揺るがせているヒューストン・アストロズなどのサイン盗み問題について、さらなる処分が科されるとの見方もある中、アストロズの2017年のワールドシリーズ制覇の記録を剥奪すべきだという声が解説者や記者から上がっている。

 アストロズが2017年に行っていたサイン盗みについては、MLBが出した痛烈なトーンの調査報告書の中で、ロブ・マンフレッドコミッショナーが仕組みを詳述。A.J.ヒンチ監督とジェフ・ルーノウゼネラルマネジャーはリーグから1年間の職務停止を科された後に解任となり、球団にも罰金500万ドル(約5億5000万円)と、2020年と2021年のドラフト1巡目と2巡目の指名権剥奪が言い渡された。

 しかし、こうした非常に厳しい処分が下されたにもかかわらず、複数の解説者がこれでは足りないと話し、中にはワールドシリーズのタイトルを剥奪すべきだと主張する人もいる。

 米スポーツ専門チャンネルESPNで解説を務めるスティーブン・スミス氏は「彼らのタイトルは不正なものだ」「ワールドシリーズのタイトルを剥奪すべきだ。ぺてんなのだから」「明確な証拠が出ている。だからこそ、裁定から1時間で二人は首になった」と話した。

 地方紙フィラデルフィア・インクワイアラーにコラムを寄稿するボブ・ブルックオーバー氏も同様に、「マンフレッドの処分は厳しいが、アストロズから2017年のワールドシリーズのタイトルを剥奪し、もっと強いメッセージを送ることもできたはずだ」「ミニッツメイドパークにかかっているペナントを外させ、タイトルにまつわる全記録を無効にするんだ」とつづっている。

 ロサンゼルス・タイムズ紙の重鎮コラムニスト、ビル・プラシュケ氏は、ロサンゼルス・ドジャースが2017年のワールドシリーズでアストロズに「だまされた」と憤り、「ドジャースは29年ぶりに手にするはずだった優勝を奪い取られた。そのことにMLBはどう対応するんだ?」と書いている。

「ドジャースがタイトルを要求することはないだろう。痛手はもう被っているし、パレードの機会はすでに失われた。それでも、トロフィーは今すぐコミッショナーの元へ取り返し、優勝を無効にして、記録のその部分は永久に空白にすべきだ。彼らの品位も同じように空っぽなのだから」

 一方、ワシントン・ポスト紙のトーマス・ボスウェル記者は、アストロズの不正はシカゴ・ホワイトソックスの選手8人が賄賂を受け取ってワールドシリーズを捨てた、1919年のブラックソックス事件に匹敵する野球史上最悪の汚点だと考えている。

「今回のスキャンダルは、プロスポーツにおける不正がいかにひどいものかを示すまたとない例だ」「不正行為はすべてを台無しにする。傷を癒やす方法はなく、スポーツの顔には永久に消えない痕が残る。101年前のワールドシリーズが、今でもブラックソックスという短い言葉で知られているように」 【翻訳編集】AFPBB News