和歌山県は12日、昨年4月にスタートした森林経営管理制度や森林環境譲与税などについて学ぶ講演会を上富田町の上富田文化会館で開いた。講演した林野庁の安高志穂・森林集積推進室長は、森林環境譲与税の配分額を増やし、2020年度は当初予定の200億円から400億円に倍増させる見込みだと述べ、森林整備を推進させたいと強調した。
 戦後植林された人工林が伐採期を迎えているが、材価の低迷で森林所有者の経営意欲が低下している。一方、土砂崩れを防いだり地球温暖化を防止したりする森林の多面的機能が重要視され、森林整備の促進が課題となっている。
 森林経営管理制度では管理されていない森林を市町村が所有者の委託を受けて管理したり、林業経営者に再委託したりして適正な管理を進める。それに必要な間伐や人材育成、木材利用普及など森林整備やその促進に関する費用に森林環境譲与税を充てる。
 この日は安高室長が制度について、県の西山久雄森林・林業局長が県の取り組みについて説明した。
 譲与税の増額について安高室長は、全額(600億円)配分の時期も9年前倒しして24年度からとする方向で法案が国会で審議されていると述べた。近年の自然災害の状況を踏まえ、森林整備をより進めて森林の多面的機能を強化したい考えだ。
 森林経営管理制度を説明するため公民館単位で座談会を開いた秋田県大館市や、作業道などの修繕に取り組む和歌山県広川町など全国21カ所の取り組み事例も紹介した。
 西山局長は、木材生産量は増加しているが十分活用できていない、林業の担い手が不足しているなど県内林業の現況や県内の半数の自治体が基金として積み立てているなど譲与税の活用状況を説明。その上で、譲与税を活用して整備を進め、管理制度の活用で森林の持続的発展や担い手の定着を実現させ、それによる山村地域の活性化に一緒に取り組みたいと協力を求めた。
 会場では、自治体の担当職員や森林所有者ら関係者約200人が熱心に耳を傾けた。
 基調講演もあり、国土緑化推進機構の沖修司専務理事が「森林・林業から創る新しい社会」のテーマで話した。