世界遺産に登録されている和歌山県那智勝浦町那智山の那智山青岸渡寺で22日夜、同寺の三重塔にデジタル処理した画像を投影して演出する「デジタル掛け軸」などを奉納する行事があった。夜のとばりが降りる中で三重塔が極彩色に彩られ、訪れた人を魅了した。
 デジタル掛け軸は、世界的に活躍するデジタルアーティストの長谷川章さん(72)=石川県小松市=が描いた100万枚に及ぶ絵にデジタル処理を施し、それらの画像をマルチプロジェクターで建物や自然風景に投影するというオリジナルな映像アート。これまで世界四百数十カ所で投影しており、ノーベル賞の晩さん会でも披露したことがあるという。
 今回は、長谷川さんから「熊野の神社仏閣でデジタル掛け軸を奉納したい」という話が、三重県熊野市で「天女座」を主宰する音楽家の矢吹紫帆さん(65)にあり、矢吹さんの強い思い入れがあるという青岸渡寺での奉納が実現した。
 奉納は午後6時半から始まり、15台のプロジェクターによって、三重塔に極彩色の模様を投影。模様がゆっくりと変化する中、矢吹さんらが舞や演奏、歌を披露して会場を盛り上げた。