和歌山県串本町田並の田並劇場保存会は25日、同劇場の敷地内でクマノザクラの植樹会を開いた。住民有志が集まり、クマノザクラの種から育てた苗木1本を植えた。
 クマノザクラは2018年に国内の桜の野生種としては約100年ぶりに新種と確認され、話題になった。
 地域の宝であるクマノザクラを増やして育て、自然の大切さを知ってもらい地元のシンボルツリーにしようと、文化と交流の場「田並劇場」の敷地内に植えることにした。
 苗木は高さ約1メートル。樹木医の矢倉寛之さん(38)=古座川町長追=が田並の山中で見つけたクマノザクラから種を取り、2年前に植えて丹精込めて育てた。開花は3年後ぐらいになるという。
 この日は矢倉さんの家族や、田並劇場保存会のメンバーで現代美術家の林憲昭さん(50)の家族ら12人が参加。1歳から11歳までの子どもたちも植樹を手伝い、植えた後にじょうろで水やりもした。シカよけのネットも張った。
 林さんは「先日クマノザクラを観察する『田並のさくら遠足』をしたばかり。来年もこの時季に遠足を催し、その時にこの苗木の成長ぶりをみんなで確かめたい。将来このクマノザクラが大きくなったら、劇場前のJR田並駅構内や通過する電車からも眺められると思う」と期待している。