飲食店と酒店が連携して、テークアウト(持ち帰り)メニューと酒をセットで販売する動きが広がっている。新型コロナウイルスの感染拡大による外出自粛で、飲食店の客足が遠のき、飲食店に商品を卸す酒店も売り上げが落ちている。日頃から付き合いのある両者がスクラムを組んで、逆境に立ち向かう。

 居酒屋「膳」(和歌山県田辺市湊)はオードブルや弁当の販売と一緒に、家庭用ビールサーバーの設置をPRしている。取引のある岡本酒店(同市湊)と、リカーショップスナノ(同市下屋敷町)が家庭へのサーバーの設置、回収をする。
 膳の店主、稲垣基さん(36)は「通常営業に比べ、売り上げは激減している。こんな時だからこそ助け合って、新たな挑戦をしたい」、岡本酒店の店主、岡本勝視さん(56)は「『巣ごもり需要』も安売り店に取られている。新たな顧客を開拓したい。家庭で居酒屋気分を味わってもらえれば」と意気込む。
 レストラン「キャラバンサライ」(田辺市上芳養)は酒類の期限付免許を取得。5月2〜6日に、オードブルと酒のセット販売をする。酒は酒問屋「堀忠商店」(同市高雄2丁目)の自社ブランドの日本酒「關(せき)の葵 交」や地元産のクラフトビール、缶ビールから選べる。
 飲食店が酒をテークアウト販売するには、酒類小売業免許が必要だが、新型コロナの影響で新設された「期限付免許」を取得した。最大6カ月間販売できる。
 「サライ」のシェフ更井亮介さん(30)は「酒に合う料理を4人前用意するので、連休中に自宅で楽しんでもらいたい。酒店も厳しい中、一緒に地域を盛り上げたい」、堀忠商店専務の堀将和さん(35)は「休業中の飲食店が多く、販売拠点ができるのはありがたい」と話している。
 膳も期限付免許を申請しており、地酒または梅酒と手作りのつまみを日替わりでセットにして販売する予定。
 問い合わせは膳(0739・26・8551)、キャラバンサライ(0739・33・9990)。両店とも配達の相談に応じている。