和歌山県白浜町富田の横道区民有志でつくる「横道日待講」は4月29日、地元の日神社で「日待(ひま)ち」行事を営み、百度参りをして五穀豊穣(ほうじょう)や家内安全を祈った。今年は新型コロナウイルスの感染防止のため縮小した。
 日待ちは、一夜を眠らずにこもり明かし、日の出を待って拝むとされており、紀南地方でも古くから各地で、田植えや収穫の終わった頃に集まり、会食をする形で伝わってきた。今は夜通しではなくなっている。
 横道区ではいつから始まったか定かではないが、昭和10年代には営まれていたらしい。会食は茶菓子やさんまずしを囲む程度で、寄り合い場所は「宿」になった民家だったが、会館や旅館、ホテルへと変わっていった。
 この行事が今も続いているのは紀南でも珍しいが、横道区でも15年ほど前には30軒ほどあった有志の世帯数は今は13軒に減っている。
 今年は縮小し、13軒のうちの宿当番の5軒から6人が出て執り行った。
 百度参りは竹製の「数え棒」を使う。毎年500本だが、今年は100本に減らし、参加者が分けて持ち、順番に何度も参った。その後の会食は取りやめた。
 横道区ではこのほど日待ち行事を存続させるかどうかが課題になっていたが、区民へのアンケートにより、宿当番の会食での費用負担をなくすことで継続が決まった。
 宿当番の代表、山内恒男さん(77)は「今は住民同士の関わりが希薄になってきているので、親睦のためにもこの伝統の行事を続けることができてうれしい」と話している。