日本最小のトンボ、ハッチョウトンボの羽化が和歌山県古座川町直見(ぬくみ)の大谷湿田で始まっている。例年、7月下旬まで見られる。
 大きさは成虫で約2センチ。雄は赤色、雌は黄褐色と黒色のしま模様。ネパール、インドネシアなどの東南アジア諸国から南半球のオーストラリアにかけての広い範囲に分布し、日本は北限分布地。生息に適した湿地が少なくなり数が減少していることから、県は準絶滅危惧種に分類している。名前は発見された場所の地名に由来する。
 大谷湿田では1992年に大量に発見され、2000年に町は町天然記念物に指定し、湿田(約1500平方メートル)を買い取って自然保護区にしている。大谷湿田では、ムカシトンボ、ムカシヤンマ、オオエゾトンボなども生息している。
 大谷湿田では近年、囲っている網を写真撮影や採取目的に破るなどして湿田内に侵入する人が絶えないことから、町教育委員会はパトロールを強化している。