和歌山県白浜町市鹿野の茶農家、上村誠さん(70)が、一枝だけ新芽が全て黄白色になる茶の木を自宅の茶畑で見つけた。挿し木をして増やしており「増やした木だけで菜の花畑のような茶畑をつくりたい」と夢を膨らませている。
 黄白色の茶葉は「白葉茶」と呼ばれる。一般的な緑色の茶葉に比べ、うま味成分のアミノ酸、特にアルギニンを多く含んでいるとされている。茶の木なら、どんな品種でも日光を完全に遮ることで人工的に作ることができ、希少な茶として珍重されている。
 これに対し「枝変わり」と呼ばれ、遮光をしなくても突然変異でこうした性質が現れることがある。上村さんが見つけたのも「枝変わり」で、4年前、樹齢40年以上の茶の木の中にあった。
 上村さんは翌年、この枝から穂木を取り、挿し木をして同じ性質の苗木を育てた。そのうちの4株が高さ70センチほどに成長し、春になると黄白色の新芽を茂らせている。当面、これらの木から穂木を取り、挿し木を繰り返して木を増やすという。
 白葉茶の栽培は、全国では今のところ「諸子沢」「きら香」「やまぶき」(以上、静岡県)、「星野緑」(福岡県)の四つの品種・系統が知られている。
 このうち「諸子沢」は、静岡市葵区諸子沢の茶農家が突然変異の白葉茶を見つけ、木を増やして黄色い茶葉の茶園をつくった。観光農園としても活動し話題になっている。
 上村さんは「県外の茶農家を通じて情報を得ていたので、自宅の畑にも枝変わりがあることがすぐ分かった。100平方メートル程度の茶畑であっても、黄白色の葉で埋め尽くすと感動が生まれる。この茶葉で手もみ茶を作れれば最高」と話している。