和歌山県白浜町の「ホテル川久」を運営するカラカミ観光(札幌市)は1日、ホテルの建物を利用した私設美術館「川久ミュージアム」をオープンした。ロビー壁面にモザイク画、宴会場には天井画など美術作品が詰め込まれた空間に、前オーナーが集めた絵画や陶器などを展示。担当者は「宿泊だけでなく観光地としても立ち寄ってもらえたら」と話している。
 ホテル川久は、世界各国の芸術家や職人の技術を融合させ「唯一無二」の建物として総工費400億円で1991年にオープン。延べ床面積2万6千平方メートル。客室は85室。
 建物の外観や内装の細部に美術作品がちりばめられており、93年には優れた建築作品に贈られる「村野藤吾賞」も受賞している。
 今回、川久ミュージアムの開館にあたり、客室機能はそのままに、通路にダリやシャガールといった名画家の作品49点、ロビーには陶器などの作品を展示。イギリスを代表する芸術家ヘンリー・ムーアによる「母と子」の絵画作品などが並ぶ一室も公開した。宴会場やロビーなど館内を巡りながら建物や展示品を見学できる。
 ホテル川久では元々、屋根は中国の紫禁城と同じ「老中黄」の瓦を使用し、イギリスの彫刻家バリー・フラナガンによるウサギのブロンズ像も飾られている。エントランスホールは、床が緻密なローマンモザイクタイル、ドームの天井が金箔(きんぱく)で彩られ、特殊な技法で作り上げた疑似大理石の柱も並ぶ。ロビー壁面にはビザンチンモザイク画が埋め込まれている。
 カラカミ観光の担当者は「30年前に情熱を注いで建てられた唯一無二の建物。建物全てが素晴らしい美術作品であり、宿泊客だけでなく、多くの人に見てもらえるよう考案した」と話している。
 川久ミュージアムの開館時間は、午前10時半〜午後6時(入場は閉館の30分前まで)。入館料は千円で、高校生・大学生は800円。中学生以下は無料。