和歌山県田辺市の新庁舎整備について、工事の発注方法検討委員会(委員長=高砂正弘・和歌山大学システム工学部教授)が報告書をまとめ、真砂充敏市長に提出した。建設予定地にある商業施設(7階建て)の解体工事について、3階以上の部分を分離して市内業者に発注することなどを提言している。
 7日にあった市議会新庁舎整備及びまちづくり等特別委員会で、市が報告書の内容を説明した。
 新庁舎は、同市東山1丁目の総合スーパー「オークワオーシティ田辺店」「紀伊田辺シティプラザホテル」の敷地を購入し、施設を解体した上で建設する。市とオークワが締結した土地売買契約書の特記事項では、オークワへの移転補償や営業補償などに代えて、市の責任と負担によって建物を解体撤去することとなっている。
 工事の発注方法を巡っては、予定地の既存建物が擁壁代わりとして土留めの役割を果たしていることから、市が2018年6月に公表した基本計画素案において、新築・解体工事を「一括発注」する方針を示していた。しかし、議会側から「地元の業者が受けられないのでは」との反発があり、素案を修正。「学識経験者などで組織する検討委員会を設置し、公正で合理的な入札方法を検討する」「地域経済の振興といった観点を考慮する」との文言を盛り込んだ経緯がある。
 検討委員会は高砂委員長のほか、弁護士、国と県の職員、林誠一副市長で構成。1〜6月に計3回の会合を開き、工事の発注方法について(1)工事品質の確保(2)入札の公平性の確保(3)地域経済の振興―の観点から検討を重ねた。
 その結果、既存建物の解体工事は3階以上の部分を分離して市内業者に発注し、残りの部分の解体工事は新築工事と合わせて施工するのが、工期の短縮や地域振興への貢献などから適当であると判断した。
 今回の新築工事は、特定建設工事共同企業体(JV)の対象となる。報告書では、JVの代表者については競争性を確保するため市外業者にも参加の枠を広げることが妥当だが、構成員は市内業者の技術力の向上や将来のメンテナンスなどを考慮し、市内業者に限定するよう提言している。
 落札者の決定については、より高い工事品質の確保につなげるためにも「価格競争方式」ではなく「総合評価方式」を採用するべきだとしている。
 市は報告書の結論を踏まえた上で、入札の参加要件を決定することにしている。