地域課題をビジネスの手法で解決する人材を育成する和歌山県田辺市の「たなべ未来創造塾」第5期開講式が1日、市文化交流センター「たなべる」(田辺市東陽)であった。Iターンや地元企業の4代目など多彩な顔ぶれの5期生12人は、自社の強みと地域資源の活用、異業種との連携で、持続可能なまちづくりに挑む。
 5期生はIT企業社員や梅加工業、料理人など職業もさまざまな30〜40代で、男性8人、女性4人。
 兵庫県出身で、1年前に田辺市にIターンしたIT企業勤務の常松菜津美さん(32)は「子育てしながら、働いている。とても魅力的なまちなのに知られていない。情報発信などで力になれれば」、梅加工会社役員の濱田朝康さん(42)は「梅産業は厳しい状況。これまでの事業を大切にしながらも、変革を起こしたい」と意気込みを語った。
 「未来創造塾」は富山大学の協力で2016年7月に発足。これまで4期47人が修了した。市街地の空き家を改修したゲストハウスとシェアハウス、カフェ・バーの複合施設▽虫食い材の活用を通じた熊野の森林保全プロジェクト▽農家と料理人の連携によるマルシェ―などさまざまな事業を生み出している。
 塾長の真砂充敏市長は「今年は市街地のさまざまなプロジェクトが完成を迎える年。だが、ハードができても、活用するプレーヤーがいないと、まちは元気にならない。塾生は1期から成果を上げているが、5期生を加えると約60人になる」と今後の活躍に期待を寄せた。
 開講式には修了生もリモートで参加。「後輩」にエールを送った。
 「塾」は来年2月13日まで。講義が9回、演習が3回ある。塾生は修了式でビジネスプランを発表する。