和歌山県古座川町小川にある景勝地「滝の拝」で、「渓流のロッククライマー」などと呼ばれるボウズハゼ(ハゼ科)が上流を目指し、岩肌に張り付きながら滝登りを始めた。
 滝の拝は古座川の支流・小川にある県の名勝・天然記念物。河原の岩盤にさまざまな形の穴(ポットホール)が開いているのが特徴で、落差8メートルほどの滝がある。
 県立自然博物館(海南市)によると、ボウズハゼは川で産卵し、生まれた子はすぐに海へ下って生活。ある程度大きくなると川へ戻り、数年かけて成長して産卵する。寿命は6〜8年程度で、体長は最大15センチほどになるという。
 餌は、アユと同じく石の表面に生える珪藻(けいそう)類。滝登りは、より競争相手のいない環境で餌を食べて大きくなるための行動で、吸盤になっている腹びれで岩肌にくっつき、さらに口も吸盤のように使い、身をくねらせながら少しずつ登る。夏の終わりごろまで見られるという。
 4日に撮影した時には、5〜10センチほどの大きさのボウズハゼ数十匹が、急流に逆らいながら、垂直な岩肌にくっついて上流を目指していた。
 平嶋健太郎学芸課長(47)は「ちょっと離れた場所から気を付けて双眼鏡などで観察してもらえたら」と話している。