和歌山県田辺市の高尾山(標高606メートル)の山頂近くで今年の盆休み期間も、「人」文字の点灯が始まった。15日まで毎日、日没前の午後6時から午前0時までともされる。
 災害への警鐘のほか、帰省した人に古里を感じてもらえるようにと1990年代中頃から続く行事。上秋津などの住民有志でつくる「人文字点灯委員会」(柳瀬理孝代表、20人)が、「上秋津を考える会」から引き継いで取り組んでいる。盆休み期間と年末年始に点灯している。
 「人」の文字にするのは、1889(明治22)年にあった明治の大水害で山肌が崩れてできた跡が「人」に似ていたのが由来。今年は新型コロナウイルス感染症の終息への願いも込めているという。
 今年も会員が9日の昼間、頂上付近にある広場「スカイパーク」に約60個の電球を60メートルと40メートルの長さにつないで、文字を形作った。高尾山は市街地からも仰ぎ見ることができる市民に親しみ深い山で、日没に辺りが暗くなるにつれ、文字が浮かび上がってくる。
 柳瀬代表は「新型コロナウイルス感染症が広がっており、設置作業が密になるので控えようかという考えもあったが、こんな時だからこそ人のつながりの大事さを感じることができればとすることにした」と話している。