南紀白浜空港(和歌山県白浜町)のターミナルビルを増築する県の工事が本格化する。国際便の就航を見据えて税関や検疫、出入国管理(CIQ)の区画を新たに設けるほか、商業スペースも併せて造る。運営する南紀白浜エアポートは「地域の拠点として、地元の人が気軽に立ち寄れる場所になればいい」と期待している。
 県も「航空機の利用者に限らず、多くの方に空港を訪れてもらいたい。その人の流れが紀南全体へ波及するような地域活性化の拠点になれば」と話している。新型コロナウイルス感染症の影響は収束が見通せないが、引き続き、チャーター便を含む国内・国外からの就航に取り組む。
 現在の空港ビルは搭乗待合室が一つしかなく、定期便の間にしか別の飛行機は離着陸できないという課題がある。県は、エアポート社の提案を踏まえて設計した。
 増築分は鉄骨2階建て(延べ床面積3807・5平方メートル)で、現ビルとつなげる。内装には紀州材を多く使う。
 1階の滑走路側には国際便の離着陸時に使う搭乗待合室やCIQの区画を整備。道路を挟んだ反対側は、来訪者のさまざまな要望に応じる「コンシェルジュ」のスペースにする予定。観光案内のほか、バスやレンタカー、レンタサイクルなど交通拠点の機能も持たせるという。
 商業スペースは2階。飲食店や物販店ができる計画で、現ビルとの比較では面積が約4・5倍になる。2階は航空機を利用しない人でも使えるようにする。
 増築部分は来年夏ごろに完成予定。エアポート社の岡田信一郎社長は「増築部分は既存施設(現ビル)を生かしつつ、形も機能も全国的に珍しいものになる。空港を核とした地域活性化を目指す上での象徴になる」と話している。

 増築の工事業者は11日、安全祈願祭を開き、工期中の無事を願った。県によると、費用は建築、電気設備、機械の工事で計約13億3500万円(税込み)。それぞれ田辺市内の業者が担う。