盆休みを迎え、本州最南端の和歌山県串本町では、行楽地や観光施設に多くの観光客が訪れている。新型コロナウイルス感染症の拡大が止まらない中、県外ナンバーの車も見られ心配する声もあるが、受け入れる観光関係者は落ち込む客足の回復に期待している。
 13日、橋杭海水浴場(くじの川)には朝から、多くの家族連れらが訪れた。海水浴だけでなく、シーカヤックやスタンドアップパドルボード(サップ)などを楽しむ姿も見られた。京都市から家族6人で訪れた40代男性は「ゴールデンウイークにどこにも旅行に行けず、夏休みぐらいはと思って親戚がいる串本に来た。できるだけ人に接しないようにして楽しみたい」と話していた。
 海水浴場は今季、新型コロナの対策で海開きを例年(7月1日)より遅らせ7月18日にした。駐車場の利用も例年の半分の55台に抑え、シャワーも利用を制限したり外に設置したりするほか、砂浜では他のグループとの間隔を4メートル以上空けるように呼び掛けをしている。
 盆休み期間の8月8日以降、晴天が続いていることもあり、客足は例年と比べてもやや少ない程度。駐車場の車は例年に比べると和歌山ナンバーが多いという。
 潮岬望楼の芝キャンプ場(潮岬)もにぎわっている。運営する地元の「潮岬望楼の芝管理運営委員会」によると、盆休み期間中はこれまでのところ、台風が影響した昨年よりも多く、例年と比べると2割ほど減っている程度だという。
 キャンプ場は新型コロナ対策のため4月15日〜6月18日に閉鎖。「都市部で感染が拡大している」として8月1〜7日にも閉鎖した。今年も盆休み期間中は有料となり、8日から再開した。
 新型コロナ対策として、テントは5メートル以上の間隔を空けて張ってもらうようにしているほか、入場時の検温やマスク、消毒を徹底するよう呼び掛けているという。委員会は「観光客には来てほしいが、やはりコロナは気になる」と複雑な表情。
 大阪府八尾市から家族5人で訪れた40代男性は「子どもにとって夏休みの思い出になればとやって来た。屋外なので大丈夫とは思うが、他人との接触には気を付けたい」と話す。
 古座観光協会(西向)によるカヌーの貸し出しは、例年なら約80人のところを半分に抑えているが、盆休み期間中はすべていっぱいになっているという。
 新型コロナの影響で4月中旬から6月中旬まで休業した。協会は「地元の経済にとって影響が大きい。コロナの対策に気を付けながら活気を取り戻すことができればと思う」と話す。
 串本海中公園センター(有田)は、新型コロナの対策で海中観光船を運休しており、入場者は台風が影響した昨年よりは多いが、例年より少ないという。
 道の駅「くしもと橋杭岩」(くじの川)は例年の半分に満たない状況だといい、「通常の週末ぐらいの客数しかない」と嘆く。
 串本で盆は毎年、ゴールデンウイークに次いでにぎわう時期。好天が続けば一層活気づく。南紀串本観光協会は「観光客には来てもらいたい。安全に配慮し、最大限の努力をしていきたい」と話している。