九死に一生を得る―。後ろ羽にある目玉模様を鳥に食べられたヒカゲチョウ(タテハチョウ科)が、和歌山県田辺市稲成町のふるさと自然公園センターで見つかった。
 今回見つかった個体は、後ろ羽の一番大きな目玉模様がなくなっていた。左右の羽が同じ形に損傷しており、羽を閉じた状態で襲われたとみられている。センター関係者も、襲われた痕跡がくっきり残るチョウに出くわすのは珍しいと驚いている。
 県立自然博物館(海南市)によると、チョウの目玉模様は(1)捕食者である鳥を驚かせる効果(2)自身の頭部の位置を誤認させる効果―があると考えられているという。学芸員は「ヒカゲチョウは後者。目玉模様がうまく機能した結果、羽の損傷と引き換えに生き延びることができた」と話している。
 日本野鳥の会県支部会員は、状況などから、このチョウを襲った鳥の正体は、イソヒヨドリが最有力だと推測している。
■ヒカゲチョウ
 羽を広げると5センチほどになる中形のチョウ。羽の裏にある大小複数の目玉模様が特徴。明るい所にはあまり出ず、雑木林などの日だまりで見掛けられることが多い。