和歌山県那智勝浦町在住の写真家・丸山由起さん(38)が、新型コロナウイルスの影響で打撃を受けている地域の店を応援したいと、奮闘する店主らの姿を撮影した写真を収めた冊子を作った。希望が寄せられた紀南地方の20の事業者を掲載。「すてきなお店は地域の文化であり財産。励まし合いながら、未曽有の困難を乗り越えていきたい」と話している。
 丸山さんはUターンをきっかけに10年ほど前から独学でカメラを始め、団体職員として働きながら、主に人物をテーマとして撮影。列車でアートを楽しむ「紀の国トレイナート」でポスターなどに使われた写真を撮影したり、写真共有アプリ「インスタグラム」で紀南地方の情報を毎日発信する写真愛好者グループ「紀南フィルム」のリーダーを務めたりしている。
 新型コロナの感染が拡大して閉塞(へいそく)感が漂う中、「同じ地域に生きる写真家として写真を撮ることで応援できれば」と希望する事業者を募り、今年4月から7月にかけ、那智勝浦町や新宮市、田辺市などにある計20の飲食店や八百屋、宿泊施設などを訪れ、店主らの姿を撮った。当初は撮影データを無償提供したり、自身のインスタグラムで発信したりしていたが、デザイン会社を営む友人からの提案で冊子としてまとめることにしたという。
 友人たちに協力してもらって完成させた冊子のタイトルは「新型コロナウイルスに立ち向かう20の事業者」(B5判カラー44ページ)。店を紹介する文章とともに、それぞれ3、4枚の写真を載せた。費用は知人らからの寄付で賄い、約700冊作製。撮影した店や那智勝浦町の観光案内所などで無料配布している。
 丸山さんは「撮影をした店の中にはその後に関係者の感染が確認されたところもあったが、気を付けていても感染する可能性は誰にでもあり、明日はわが身だとも思う。コロナ禍を乗り越えるため、お互いがお互いを見守り、励まし合うムードが大切ではないか。皆さんの協力で発行できたこの冊子が、そのきっかけになればうれしい」と話していた。
 問い合わせは丸山さん(080・4020・4847)へ。