後ろ足がまひし、一時は寝たきりだったフェレット(イタチ科の小動物)が、手作りの歩行器に乗ることで元気を取り戻した。和歌山県上富田町朝来の自営業、棚橋祐一郎さん(39)が飼う雌のジャックで、人間でいうと80歳超という。棚橋さんは「小さな体で必死に生きる姿から、大きな力をもらっている」と喜んでいる。

 ジャックは生後2カ月で棚橋さんの家族になった。10月31日で7歳になる。副腎腫瘍を患い、7月から急速にまひが進んだ。最初は前足だけで動こうとしていたが、次第に諦めて一日中寝て過ごすようになり、衰弱していった。
 棚橋さんはインターネットで小動物用の歩行器を販売している会社を探したが、国内では見つけられなかった。そこで、歩行器を自作した人のブログを参考に、100円ショップで購入したおもちゃの車やスポンジ、食品トレーなどを組み合わせて作った。
 歩行器に乗ったジャックは歩き始めだけは少し戸惑った様子だったが、すぐに慣れた。Uターンやバックもでき、小さな段差なら前足の力で乗り越えられるようになった。棚橋さんはジャックの動きを観察しながら、今も歩行器の改良を続けている。
 自分で行きたい所に行けると分かったジャックは、目に力が戻り、食欲も出てきた。7月に780グラムまで減っていた体重は、歩行器を使い始めて1カ月半で若い頃に近い1120グラムにまで増えた。
 小動物用の歩行器を作る企業が現れてほしいとの思いを込め、棚橋さんが歩行器で歩くジャックの動画をツイッターに投稿したところ、84万回再生されるなど反響を呼んだ。
 最初は病気のジャックを公開することにためらいがあった。しかし、投稿への書き込みは「歩行器の作り方を教えてほしい」「亡くなったフェレットに作ってあげたかった」「(ジャックが)歩けるよ!ありがとうって言っているみたい」など好意的なものばかりだった。
 棚橋さんは「病気やけがで不自由な思いをしているフェレットがたくさんいることを知った。投稿がきっかけで、小動物用の歩行器がもっと身近な存在になればうれしい」と話している。