県立の全日制高校を3分の2程度にするのが適正とした有識者会議の答申について、和歌山県教育委員会は27日、5地域を巡る地方懇談会を新宮市でスタートした。県教委は本年度中に具体的な再編整備計画をまとめたいとしているが、懇談会の参加者からは慎重な対応を求める意見が相次いだ。
 答申では、和歌山市以外の地域は普通科高校を各市域に1校。工業、商業、農業が専門的に学べる学校(または学科)を紀北、紀南に各一つ。和歌山市は普通科高校4校と工業、商業、総合学科の拠点校を各1校としている。現在29校ある全日制高校を20校程度にするイメージ。
 新宮市と周辺地域については、人口減少に加え、私立高校との競合などで慢性的に募集定員が未充足になっている▽多様な学びを保障するため1学年6学級程度の1校に再編する必要がある―と指摘。串本地域についても、ロケット発射場などで注目が集まっても、一定規模の高校を存続させるのは難しいとしている。
 この日の懇談会は新宮高校であり、新宮・東牟婁の行政や学校関係者、保護者ら約150人が参加した。
 参加者からは「1回限りの説明で理解してくれと言われてもできない。広く意見を聞いて、丁寧に進めてほしい」「1学級40人を前提にしているが、人口減少を逆手に東牟婁だけでも20人学級にすれば手厚い教育ができる」などの意見が出た。
 県教委は「多様な意見を聞いていく。人口減少は進んでおり、できる限り早く再編計画を作りたい」「現状では少人数学級に対応するだけの教師数を確保できない」などと答えた。
 串本地域で唯一の串本古座高校は存続が問われている。串本町の田嶋勝正町長は「ロケット発射場ができれば宇宙教育を取り入れ、全国から生徒が集まる可能性がある」と指摘したが、県教委は「現時点で画期的に生徒数が増えるとは考えていない。増えるよう努力はしていく」と述べるにとどまった。
 県教委は10月12日までに田辺市を含む4会場で懇談会を開くほか、県立学校長を通じ意見聴取を進める。小中学校の意見も高校を通じ、集約したいという。