町内で小型ロケット発射場の建設が進んでいる和歌山県串本町は24日、同町西向にある町役場古座分庁舎でロケット事業のワークショップを町議会議員を対象に開いた。14議員が参加し、ロケットや宇宙についての基礎知識を学んだ上で、町の発展にどのように生かしていくかを考えた。
 宇宙輸送サービス会社「スペースワン」(東京都)が、同町田原で小型ロケット発射場「スペースポート紀伊」の建設を進めており、2021年度中に第1号機、20年代半ばに年間20機の打ち上げを目指している。町は発射に向け、町民の機運を高めようとワークショップを開いていく計画で、この日が初回。来月から来年1月にかけて町内の小中高校生ら町民を対象に順次開いていく。
 この日は、町から委託を受けてワークショップを開くコンサルティング会社、USPジャパン(東京都)社長の新津研一さんが「みんなでスペースポート紀伊を知ろう ロケット打ち上げを楽しもう」をテーマに講演した後、町議から質問を受けた。
 新津さんは、ロケット発射場は世界で26カ所しかなく、スペースポート紀伊は日本で3番目の発射場になると説明。スペースワンが行う人工衛星を宇宙へ運搬する仕事は、世界で約100社が競争しているが、スペースワンは世界で3本の指に入る会社になるといわれており、日本だけではなく、世界中から注目されていると紹介した。
 さらに、技術の進歩で人工衛星が小型化したことや、ロケットは串本から55秒で東京に到着するスピードであること、ロケットの中身は95%燃料であることなども説明。串本に発射場が建設される理由は、発射場の南に陸地や島がなく、工場からのアクセスが良いことなどだが、一番の要因は町民が歓迎、応援していることだと話した。
 これから串本には、宇宙関連の研究者やマスコミ、観光客など多くの人が訪れ、ロケットの部品や運送などに関わるさまざまな仕事ができる可能性があると予測。子どもにとってはロケット発射場が地元に自信を持つ一助になり、高齢者にとっては子や孫が見学に帰ってくるきっかけになるなどと述べ、地元の人がロケットの見学を案内したり、解説したりできるようになることに期待した。
 質疑応答では町議から、どのような状況になった場合にロケットの打ち上げが延期になるのかとの質問があり、新津さんは、雷や風がある時には、飛行機や船の運航状況を見て調整しなければならないと答えた。