和歌山県那智勝浦町市屋の熊野古道大辺路街道で、道が崩れて狭くなっていることが分かった。世界遺産に登録されている「二河峠」につながる箇所。危険だとして、古道歩きツアーでそのコースを避けるケースも出ている。
 道が狭くなっているのは、二河峠から50メートルほど串本町寄りの箇所。徐々に崩れたとみられ、現在は約5メートルにわたって30センチほどの道幅に狭まっている。その道の狭さだけでなく、斜面が急な上、樹木が少ないことから、足を滑らせば大けがにつながる危険性がある。
 熊野古道の保全や案内をする「熊野古道大辺路刈り開き隊」の上野一夫隊長(72)は9月、旅行会社のスタッフと一緒に古道歩きツアーの下見に行った際、道が狭くなっているのに気付いた。1年ほど前に通った際にも狭くは感じたが、今回ほどではなかったという。
 ツアーは、世界遺産に登録されている大辺路街道の古道を中心に、3月から上富田町を出発点に始まった。今月のツアーでは二河峠は歩かずに、二河川近くの登り口にあるスタンプの押印だけしてバスで移動した。
 道が狭くなっている箇所にはロープを張って注意を促しているが、上野隊長は「怖くて通れない人は多いのでは。ツアーでここを通るのはなかなか難しいと思う」と話す。
 串本方面の道から二河峠に行くにも、新宮方面の道から二河峠を過ぎて串本方面に行くにも、この狭くなった道を通らなければならず、引き返すとなるとかなりのロスになる。
 道を管理する那智勝浦町は「現在、対策を協議しているが、地形的な問題などですぐに修繕するのは難しい」と話している。
 すぐ近くでは、2014年4月から始まった土砂処分のための工事で古道が削り取られ、その後に近畿地方整備局紀南河川国道事務所が新たに道を造るなどして改修している。