新型コロナウイルス感染拡大の影響で世界のゴルフツアーも中止や延期が続いている。そんな中、韓国ではいち早く女子ツアーが開幕を迎えようとしている。


韓国女子ツアーのメジャー「KLPGAチャンピオンシップ」が5月14日から4日間にわたり、京畿道・楊州(ヤンジュ)のレイクウッドCCで行われることが決まった。

本来なら4月9日から韓国女子ツアーは国内で開幕を迎える予定だったが、新型コロナウイルスの感染が増え続け、中止を余儀なくされていた。KLPGAチャンピオンシップも4月26日スタート予定を一旦は中止にしたが、再び開催することを決めた。

世界のツアーに先駆けて、韓国女子ツアーが開催に踏み切れたのには、いくつか理由がある。

一つは、韓国内の新型コロナウイルスの1日の感染者数が一桁台に下がっていることが大きい。4月20日から、新規感染者数は10人前後の低水準を維持しており、街は落ち着きを取り戻しつつある。

もう一つは、政府が“お墨付き”を与えたことだ。4月19日、韓国政府は感染症中央災難安全対策本部会議でチョン・セギュン国務総理がこう発表をしている。

「4月20日から5月5日までは“社会的な距離(ソーシャル・ディスタンス)”を維持しつつ、一部の制限を緩和する。屋外スポーツも“無観客試合”など、危険度を下げられれば可能だろう」

すでに韓国ではプロ野球が5月5日に無観客で開幕を決定し、プロサッカーのKリーグも5月8日に開幕戦を予定している。その流れで女子ゴルフも開催に目途がたったということだ。

KLPGAチャンピオンシップのサブタイトルは「コロナ克服、韓国ファイト!」。

コロナに打ち勝ち、元気な姿を見せようという趣旨で行われる。賞金総額も高額で、23億ウォン(約2億3000万円)、一方で優勝賞金は、昨年2億ウォン(約2000万円)だったのが、今年は1億6000万ウォン(約1600万円)に抑えられている。

これはより多くの選手たちに賞金を与えるためのKLPGAの措置だという。中止が続き、今後の生活を心配する選手たちに配慮したわけだが、出場人数も従来よりも増やして144人となった。方式は「MDF(セカンドカット)」を採用。102人が決勝ラウンドへ進み、その中の上位70人が最終ラウンドへ進出するが、出場したすべての選手が賞金をもらえる。稼ぎどころのない選手にはありがたい決定だ。

また、試合は観客を入れずに「無観客」で行われる可能性が高いという。屋外での競技とはいえ感染拡大を防ぐためには、やむを得ないだろう。

そこで気になるのは、日本ツアーを主戦場にする選手たちも出場するのかどうか。

韓国の永久シードを持つイ・ボミは出場することを決めた。所属の延田グループは「日本ツアーが開催されない限り、韓国で開催される試合があれば、今後もそこに出る意向」と明かしている。

そのほか、永久シードの申ジエ、アン・ソンジュ、全美貞、李知姫に出場権がある。日本に滞在している李知姫は出場しない。アン・ソンジュは出場を予定。申ジエは出場辞退を表明している。

また、米ツアーを主戦場にする世界ランキング上位選手も出場するとあって、韓国メディアはこぞって「スターの競演!」と沸いている。現時点で出場が決定しているのは、パク・ソンヒョン(世界ランキング3位)キム・セヨン(同6位)、イ・ジョンウン6(同10位)、キム・ヒョージュ(同13位)。

ハイレベルな戦いになるのは必至だ。一方で、世界1位のコ・ジンヨン、リオ五輪金メダルのパク・インビ(同11位)はエントリーを辞退。自分たちが出場することで下位の選手が出られなくなることを避けたいというのが理由だ。若手に出場のチャンスを与えたいとの配慮だが、プレーを見たかったファンもきっと多かったに違いない。

しかしながら、今大会が開催されたあと、毎週試合が行われるのかはいまだ不透明だ。現状では「E1チャリティーオープン」(5月29〜31日)、「ロッテカンタータ女子オープン」(6月5〜7日)、「S-OILチャンピオンシップ」(6月12〜14日)、「起亜自動車 第34回韓国女子オープン」(6月18〜21日)と予定されているが、状況によっては中止や延期の可能性もあると現地では報じられている。

ちょうどこの頃、試合に出場を決めたイ・ボミから筆者の元にメッセージが届いた。韓国から「日本の状況が心配」と心を痛めていた。

「新型コロナウイルスの終息にまだ時間がかかるので、一日でも早く事態が落ち着くことを願っています。日本のファンが懐かしく、また会える日を楽しみにして、私も努力を続けていきます」

そんなイ・ボミをいつもは日本でサポートする現場マネージャーや専属トレーナーの渡邊吾児也氏は、韓国への入国を断念。日本人の場合は韓国に入国する場合、現在はビザ取得が必要で、そのあと韓国内では2週間の経過観察が必要となるからだ。

ただ、延田グループ担当者は「今後も韓国ツアーが継続的に開催されるのであれば、事前に準備して行く予定も考えている」とのこと。現状では、イ・ボミは現地のキャディとタッグを組み、母や夫のサポート受けながら試合に挑むことになりそうだ。

いずれにしても、KLPGAチャンピオンシップがどのような形で大会を迎えて、無事に終えることができるのか。今後の日本ツアー開催に向けて、参考になる部分があるかもしれない。(文 キム・ミョンウ)

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