5月7日から華々しく開幕するはずだった「アジアパシフィック ダイヤモンドカップゴルフ」は残念ながら中止となってしまった。アジアンツアーと共同で行われる大会とあって、半数以上が外国人選手で入国ができない状況。それ以前に、国内の新型コロナウイルス感染拡大の収束が見えないなかでの判断だった。


昨年大会は浅地洋佑がツアー初優勝を果たした。コースが極めて難しいセットアップとなり、ナイスショットがフェアウェイに止まらないといった事象が多発。外国人選手の中にも、困り果てた顔を見せる者も少なくなかった。「コースは素晴らしいのに、それを生かしていない」といった声が多く聞かれた。そんな状況で、バンカーからのセーブを連発した浅地の、涙の勝利だった。

今年はどんなセットアップになるのか注目が集まるところだったが、残念ながら来年へと持ち越しとなってしまった。本大会は全国の名門コースや難易度の高いコースで行われるサーキット大会。そのため、思いもよらぬドラマが生まれることが多い。1973年に「ダンロップゴルフトーナメント」として始まり、50年近くの歴史がある中で、振り返ってみると2013年大会は印象に残る試合だった。

11年の海外メジャー「マスターズ」でローアマ獲得。国内ツアーでもアマチュアとして優勝。そして13年には大学生プロとしてツアーに参戦した松山英樹が優勝を果たした。すでに開幕2戦目でプロ初優勝を挙げており、日本中がスター・松山の出現に沸いていた。その松山のプロ2勝目を阻もうと挑んだのが、なんと当時58歳の中嶋常幸だった。

茨城県の大洗GCで行われていた大会は、3日目を終えて松山と中嶋が首位タイに並ぶ展開。中嶋は3日目のベストスコア「66」をマークし、国内ツアー最年長優勝にも期待がかかっていた。数々の名勝負が繰り広げられてきた大洗。日本中が37歳差の対決を見守った。

最終日最終組に21歳の松山と58歳の中嶋。序盤は一進一退の攻防で、大勢のギャラリーが2人のプレーを追った。8番を終えて、2つスコアを伸ばしていた中嶋が単独首位で松山に1ストロークリードで迎えた9番。ティショットを左の林に打ち込み、4オン2パットのダブルボギー。終盤もボギーがかさみ、中嶋は6位タイに終わった。

対する松山は後半に入っても安定したプレーでスコアを落とすことなく、終わってみれば2位グループに2打差をつけて逃げ切り。シーズン2勝目を挙げると、その後も勢いは止まらずシーズン4勝。ルーキーイヤーで賞金王という快挙を成し遂げた。

6月までのレギュラーツアーはすべて中止が決まった。7月以降の開催も不安視されているが、松山vs中嶋のような名勝負が生まれるのも男子ツアー。力と力のぶつかり合いが早く再開されることを望みたい。

<ゴルフ情報ALBA.Net>