トーナメント会場にいる関係者のなかで、一番近くでプロゴルファーのプレーを見ているのがプロキャディ。そして唯一ラウンド中にプロにアドバイスを送れる存在でもある。そんなプロキャディだからこそ、我々アマチュアゴルファーのスコアアップにつながる“アドバイス”を知っているのではないか。今回は渋野日向子の8打差逆転劇をキャディとして支えた藤野圭亮氏に話を聞いた。


■余計な情報を入れないのも大事 渋野日向子は今やるべきことに集中している
大逆転でツアー3勝目を挙げた「デサントレディース東海クラシック」が渋野との初タッグだったという藤野氏。キャディから見たスマイルシンデレラの強さの理由を聞いてみると「迷いがまったくないこと」だとスパっと返ってきた。

「今、自分のやるべきことだけに集中していますね。逆に言えば他のことに気持ちが向いていないように感じました。優勝争いをしていようが目の前の一打のために何をすべきかだけ考えてプレーしているように見えます」

迷いなくプレーできている1つの理由として「情報の整理のうまさ」を挙げる。「キャディの私に聞くのは風と残り距離くらいでした。距離も聞かれないときすらありました。スイングのことなんてほとんど聞かれません。そうやって、余計な情報を入れないでプレーしていました。だから迷いなく振り抜けるのだと思います」。決めてから打つまでが早いのもそれが理由ではないかという。「渋野プロがミスを反省したりするのはホールが終わった後の移動中やラウンド後です。そこまでは、目の前のやるべきことだけ考えています」

■自分がどんなタイプかを見極めるのがスコアアップに
「自分に何が必要で何がいらないかを理解して、情報を取捨選択できればアマチュアの方もより気持ちよく振れると思います。例えば黄アルムプロは残り距離を聞くときに“ピンまでの距離しかいらない”と言います。なぜかというと“そこに打つ自信があるから”。一方で逆に調子の悪い人ほど、キャディとの会話も長くなっていると感じます」と藤野キャディ。アマチュアでも考えすぎてプレーが遅くなるプレーヤーもいるが、自分に必要な情報が何であるかを考えればプレーのリズムも良くなり、スコアも改善しそうだ。

「これはトッププロの極端な例ですが(笑)、アルムプロのように余計な情報を遮断するのも1つの手かもしれません。逆にエッジとバックエッジとピンまですべて把握して広く使って打つほうがいい結果に結びつく方もいますし、バックエッジの距離だけ聞いて手前OKで奥には絶対こぼさないとすることでスコアが良くなる方もいます。OBの場所が分かっていないと不安かもしれないですし、逆に意識しすぎてしまうかもしれません。自分がどういうタイプなのか知るだけでも、スコアは変わってくると思いますよ」

■精神的な安定を生むスコアカードへの一工夫
そんな藤野キャディにスコアアップのアドバイスはないか聞いてみると、「これはプロキャディならでは、というわけではありませんが」と前置きしたうえで、「90切りを目指す方に簡単にできるお勧めの方法がありますよ」と声を弾ませた。

「朝コースについてスコアカードを取ったら、その場ですべてのホールのパーの数字を1つ増やして書き換えるんです。その通りにラウンドできれば90です。1つでもバーディを獲れれば90切り達成です。オールボギーで90と頭では分かっていても中々徹底するのは難しいですよね。そこに視覚的にも意識させることで、“パーを獲りに行く”マネジメントができるようになります。簡単にできることなのでぜひ試していただきたいですね」

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