新型コロナウイルスの感染拡大による緊急事態宣言が全国に出され、外出自粛など例年とは違うゴールデンウィークとなった。5月といえばゴルフのトップシーズン。芝も緑に色づき、半袖でプレーできるようになる。本来ならプレーヤーで賑わうはずのゴルフ場もその影響を大いに受けた。


「例年に比べたら利用客は4割減くらい。スループレーでの営業をしているため、単価が下がり売り上げも落ち込んでいる」と話すのは、全国のゴルフ場を運営・管理する会社の担当者。感染拡大防止としてクラブバスの運行を中止していて、都内から電車での来場は難しい。ほかにも「1台の車に乗り合いで来たり、風呂など施設利用を制限しているため、女性客は明らかに減少しています。利用者自身がプレーを控えているだけでなく、ゴルフ好きの著名人の新型コロナ感染を受けて、世論がゴルフに厳しい外的要因もプレー控えに影響している感覚もあります」という。

前述の担当者へ売り上げ対策を聞いてみると、「ゴルフ場は営業します。都内で臨時休業にしたインドアスクールは休業要請に当てはまるかを都に問い合わせていますが、窓口も混みあっていて思うようにやり取りできていません」とこぼす。「弊社でも厳しい状況。規模の小さいところはもっと大変なのでは」とも。他の大手ゴルフ運営会社では「コンペの獲得は見込めないため、単組を推奨したり、スループレーや2サム保証をしています」。また、別のメンバーシップクラブでは「お客様の生活環境やTPOに応じたコースを推奨できるのが当社の強み。メンバーお一人での利用も承ります」と工夫を凝らす。

■スループレーを選択するゴルファーが多いが問題点も
感染拡大防止策として利用者にプレースタイルを選んでもらうようにしたところ、現在はレストランや風呂を使わないスループレーを選択する人がほとんど。ゴルフ場によっては浴室の利用はシャワーのみ、レストランは間隔を空けて案内するなどしているが、浴室とレストランの利用者は少ないという。

スループレーを歓迎する人がいる一方、高齢者やプレースタイルに慣れていない人からは休憩を望む声も多い。バンカーレーキを使用しない、1グリップOKといった各クラブが推奨する新型コロナ対策について、マナーの観点から厳しい言葉が飛ぶこともあり、現場では頭を悩ませている。

新型コロナ収束後もスループレーを取り入れるかについて複数のゴルフ場に聞いたところ、「要望があれば検討」、「現段階では考えられていない」、「収束後は通常営業に戻す」など営業規模に関わらず回答はまちまちだった。

■自粛警察がゴルフ場に電話やメールでクレーム 「精神的に削られます」
ゴルフ場には利用者だけでなく外部からの厳しい声も飛んでくる。周囲に自粛を強いる人を指す「自粛警察」はSNSやニュースでしばしば話題にのぼるが、その「取り締まり」はゴルフ場にも及んでいる。

先の全国展開するゴルフ場運営会社本社には「自粛している中で恥ずかしくないのか」、「感染したら訴える」、「子どもが我慢しているのにゴルファーはどうなのか」、「コロナを蔓延させる気か」など、ときには罵倒に近いメールや電話が日に5件はある。「各ゴルフ場を合わせたら1日に相当な数になるでしょう。徹底した対応をしているものの理解されないですし精神的に削られます。今は耐えるしかありません」と担当者は苦しい胸の内を明かす。

「緊張感を持ち徹底した感染予防対策をして営業していると伝え続けています」と応対に苦慮している様子を見せつつ、「自粛のストレスによるはけ口になっているのでは」と感じることもある。物理的な嫌がらせはまだないが、栃木県であったゴルフ場への不法投棄といった事件についても気にしており、気の休まらない日々を送っている。

今回の取材に答えてくれたゴルフ場関係者は一様に「一日も早く収束し平穏な日が訪れてほしい」、「お客様と従業員の安全確保が第一。この状況でも安全な環境で楽しんでもらうためのゴルフを推奨していく」と話す。中でも印象的だったのは「ツアー中止などゴルフ関係者はみんな苦しい状況。緊急事態宣言が解除されたら、ゴルフを徹底的に楽しんでという記事を書いてほしい」という願いだった。

ヨーロッパでは規制が緩和され、接触のないスポーツとしてゴルフを認める国が出てきた。日本でもプレーヤー及びゴルフ関係者が、見えないウイルスや声の脅威から解かれる日が早く訪れてほしい。

<ゴルフ情報ALBA.Net>