■風邪や炎症で喉が痛いときに避けたい食べ物・料理
喉が痛いとき、「食べ物が喉を通らない」ような感覚になることがあると思います。これは単に痛みだけでなく、喉の腫れによって気道や食道が狭く詰まっているような状態になるため。

痛みがひどい場合は、炎症を起こしている喉をなるべく休めることが大切。喉に刺激を与えるような食べ物は避けるようにしましょう。

・香辛料……トウガラシ、わさび、辛子、マスタードなど
・酸味の強いもの……酢、梅干、柑橘類など
・炭酸系飲料
・アルコール
・熱すぎるもの、冷たすぎるもの……ラーメン、鍋料理、アイスクリームなど
・味の濃いもの

最後の「味の濃いもの」とはどういうことかと思った人もいるかもしれません。「味の濃いもの」は味付けに主に食塩を多く含んでいます。「傷口に塩をすり込む」という言葉がありますが、喉が腫れているところに食塩たっぷりの食べ物が通過しようとすると、腫れている部分に刺激を与え、痛みが生じる恐れがあります。味の濃いものも避けた方がよいでしょう。

■喉にいい料理・食べ物は、刺激の少ない食べ物
喉に刺激を与えることがよくないのですから、喉が痛いときは、逆に「喉に刺激を与えないもの」を選んで食べるようにしましょう。

・やわらかいもの……プリン、茶碗蒸しなど
・ハーブティー……カモミール、ユーカリなど
・のど飴

喉に刺激を与えない食べ物の選び方でもっとも簡単なのは、物理的に「やわらかい」ものを選ぶことです。プリン、茶碗蒸しのようなゲル状の食品や、うどんや粥など柔らかく煮た料理がおすすめです。

さらに、カフェインの少ない飲み物で喉を湿らせたり、のど飴を使って唾液を多く出すことで喉を乾燥から守ることも喉が痛いときの対処法として有効です。

■喉の痛みに効果ある民間療法は本当? 大根やはちみつなど
また、昔も今も、喉の痛みに悩まされる人は多かったようで、喉の痛みに効果があると考えられてきた「民間療法」的な食材も多くあります。それぞれの科学的な裏付けも考えながら、上手な活用法を見てみましょう。

▼ネギ長ネギの香り成分である「アリシン」に殺菌効果があるといわれています。焼いて首に巻くとよいといわれますが、加熱して美味しくいただいたほうが効果は高いようです。

▼生姜生姜の「ジンゲロール」「ショウガオール」が血行をよくするといわれています。そのままではかなり刺激が強いので「生姜紅茶」のようにすりつぶして少量を飲み物に溶かします。

▼大根大根の辛味成分である「アリルイソチオシアネート(芥子油)」に抗炎症作用があるといわれています。大根とはちみつをタッパーなどの密閉容器に入れ、出てきた汁を飲むと効果的といわれています。大根おろしもよいといわれますが、こちらは少し刺激があるので少量にしましょう。

▼はちみつはちみつは上述の大根はちみつの材料としても使われていますが、はちみつをなめるだけでも効果があります。マヌカハニーなども炎症を抑えるため、効果があるといわれています。

▼みかんの皮(陳皮)柑橘類の香り成分である「リモネン」や、酸味のある「ビタミンC」などが喉の痛みを含む風邪予防によいといわれています。みかんの皮を干したものは「陳皮」として販売されています。陳皮を生姜や黒砂糖などと一緒に煎じて飲みます。

▼キンカンみかんの皮と同様「リモネン」や「ビタミンC」などが風邪症状に効果があるといわれています。キンカンは実を皮ごと食べるのが特徴です。喉の痛みが気になるときには砂糖煮を5〜6個食べましょう。黒砂糖のほうが効果が高いといわれています。

または、キンカンにザラメ糖とはちみつを入れて漬け込むとキンカン飴ができるので、これをスプーン1杯なめても喉の痛み軽減効果が期待できます。

▼黒豆黒豆を煎じて飲んだり、黒豆とゴマ、昆布茶を煎じて飲みます。また、ゆで汁に黒砂糖を加えて飲む方法もあります。黒豆の色素成分である「アントシアニン」に喉の痛みを和らげる効果があるといわれています。

▼ゴボウゴボウに含まれる「サポニン」が炎症を抑えるといわれています。サポニンは灰汁の成分ですので、喉への効果を期待するのであれば、灰汁抜きをしすぎないで調理したほうがよさそうです。また、痰が出る場合、生のゴボウの根の汁を飲むとよいといわれています。また、ゴボウの種子をよく煎じて飲むと咳にもよいようです。

▼梨梨の「ソルビトール」は喉の痛みを和らげて咳を鎮めるといわれています。生の梨の芯をとり、はちみつを入れて蒸したり、焼いて食べると効果があります。また梨をすりおろしてジュースにし、はちみつを入れて飲んでもOK。すりおろした梨を煮詰めても効果があるといわれています。

ほかにも昔から言われている民間療法にはさまざまなものがあります。体質等にもよるところがありますし、薬ではないので必ずしも効果があるとは言い切れませんが、昔ながらの「おばあちゃんの知恵」は経験則として一定の効果を実感できるものが多いように思います。

機会があれば試してみて、ご自身の体質にあう喉の痛みの軽減法を見つけられるのもよいかもしれません。

■喉の痛みが続くときはポリープなどの可能性も……
「喉が痛くて声が出にくいだけで、あとは何ともない」からと、病院にかからず民間療法などを試しながら、自然治癒を待っている人もいるかもしれません。しかし、最初の2〜3日程度なら様子見でも問題はないのですが、もし声枯れが5日以上続くようであれば、早急に受診するようにしましょう。

これは私自身の経験で恐縮ですが、喉の痛みが出始めてすぐに受診して薬をもらったものの声枯れしてしまい、3日後くらいに再診すると、薬剤師さんが驚くような強い薬に変更されました。それでも効果が出ず、さらに再診を受けると「小さいポリープができている」といわれました。

医師によると、ポリープは発生して1週間以内であれば薬で治療ができるそうですが、それを過ぎてしまった場合には、少し大きい病院で切除するしかないのだそうです。

私の場合は、治療できるギリギリのところでポリープが発見されたため、薬で済みましたが、痛みや声枯れを放置して我慢すれば我慢するほどにポリープは大きくなり、切除以外に治療法がなくなってしまうこともあるのです。

病院にかかるのは時間も手数もかかりますが、5日以上喉の痛みが続くようであれば、早めの受診をおすすめします。

▼平井 千里プロフィールメタボ研究を行いエビデンスに則ったダイエットを教える管理栄養士。小田原短期大学 食物栄養学科 准教授。女子栄養大学大学院(博士課程)修了。前職の病院での栄養科責任者、栄養相談業務の経験を活かし、現在は教壇に立つ傍ら、実践に即した栄養の基礎を発信している。

平井 千里(管理栄養士)