30年後に職の70%が消滅?AIに奪われないスキルの身に付け方

30年後に職の70%が消滅?AIに奪われないスキルの身に付け方

■30年後には今ある職業のおよそ70%が消滅する?
何か勉強を始めようとする際、「社会から求められるスキル」を選ぶのは当然と思うかもしれません。確かに、その側面をまったく無視してよいということはなありませんが、社会の要請のみに従うことは、環境の変化に翻弄される生き方になりかねない、というリスクも知っておく必要があります。

たとえば畳職人のスキル。昔の家は畳敷きが一般的で、数年ではり替える必要もあったから、一定の需要はあったでしょう。しかし時代が変わってフローリング全盛になれば、需要は少なく廃業を迫られることになります。畳は極端な例かもしれませんが、私たちの身近なところにもスキルの栄枯盛衰は見られます。

たとえばパソコンの操作スキル。かつてはワードやエクセルが使えただけで高く評価されたものの、今では“できてあたりまえ”になっています。
社会は常に何らかのスキルを求めるが、そのスキルは次々に塗り替えられ、また新しいスキルを習得してキャッチアップしなければならなくなるという、いたちごっこです。

■AIが職を奪うとき
スキルの陳腐化をさらに加速させることになりそうなのが、AI(人工知能)技術の進展です。ディープ・ラーニングによってAI自身が自己進化するようになり、30年後には今ある職業のおよそ70%が消滅するとも言われています。

たとえばチェス・囲碁・将棋といった思考型ゲームにおいても、人間はすでにAIに勝てなくなっていますし、小説や新聞記事をAIが書く、資産運用でもAIがトレードするといったように、その応用範囲は広がりつつああります。

また、AIを組み込んだロボットも普及し始め、たとえば自動運転が実現すればドライバーという職業を脅かすことになるし、介護や受付業務などへの導入も、試験的にではありますが始まっています。

AIやロボットは、私たちの生活をより良くしてくれる一方で、産業構造・社会構造を激変させる可能性があります。思いもよらなかった職種がAIに置き換わり、「10年後も安泰」と言われているスキルも、いつニーズが消滅するかわかりません。

そういう未来において、社会が求めるスキルだけを追う人に待っているのは、狭まるニーズの中で雇用を奪い合う道か、スキルの価値低下に比例して賃金も安くなっていく貧困の道か、スキルごと捨てられる失業の道か――そのいずれかになるリスクをはらんでいます。

■AIでは代替できない能力とは
ではこれからの学習分野を、私たちはどう選べばいいのでしょうか。
AIやロボットが進出できない分野を考えると、たとえば新しいモノやサービスを生み出す「創造力」か、より複雑で難易度の高い問題を解決する「問題解決能力」が挙げられます。

だとすると、私たちが目指すべき学習分野は、必然的にこれら能力の獲得あるいは強化につながるもの、ということになります。

ちなみに前者の創造力とは、実は課題発見力と置き換えることができます。デザインや映像音楽、文章、芸術・芸能といった文字通りのクリエイティブな職種は別として、創造とは、常識を疑ったり、現状に不便さを感じたり、普通の人が見過ごしている問題に気づくことから始まるからです。それが人をして「そうそう、そういうのが欲しかった」と言わしめることにつながるわけです。

一方で、AIを含めコンピュータは、人間から命令を与えられなければ結果を出せない。これは、与えられた問題は解決できるが、自ら問題を発見することはできないことを意味します。つまり創造とは、自ら命令を考え与えること、つまり課題を発見する能力でもあると言えるでしょう。

しかし難しいのは、こういう能力には教科書がないという点です。ビジネス書などでノウハウが語られるとしても、それは著者が著者の環境と能力と個性で獲得したものであって、最終的には試行錯誤による経験によって身につける必要があります。

そこでまずは、「自分はこれが好き・得意・楽しい」と感じる、今後の人生でやり続けたい分野を抽出し、次にその分野の中で、上記の2つの能力のいずれか、あるいは両方につながるスキルを特定します。あとはそれを続けながら経験を積み、経験から教訓を引き出しさらに錬磨し、進化させていくことです。

もうひとつ高めたい能力のひとつがリーダーシップです。世界中の企業が欲しがるのが組織を率いることのできるリーダーだからです。実際、高年収の募集案件のほとんどは管理職です。

というのも、コンピュータには組織を動かしたり人を鼓舞したりはできないからです。ロボット上司に合成音声で「キミニ キタイ シテイルヨ」などと言われても、やる気にはならないでしょうから。


参考文献)「年収1億の勉強法 年収300万の勉強法」(学研プラス)

午堂 登紀雄

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