退職金の使い道で後悔!2200万円を4年で使い果たす

退職金の使い道で後悔!2200万円を4年で使い果たす

■「退職金がこんなに減っちゃった」後悔する家計の特徴とは
「もらった退職金を65歳になる前に使い果たした人をテレビで見たときに、この夫婦ってバカじゃないのと思ってたんです。でも、まさか我が家が同じだったなんてね。もう、恥ずかしいやら、情けないやら。退職金がこんなに減っちゃっているのに、なんで今まで気が付かなかったんだろうと、そればっかり。悔やんでも悔やみきれません。そんなに使ったつもりはなかったんですよ」

こう語るのは、ご相談に来たA子さん60歳。

■4年前に支給された退職金2200万円が900万円に
夫は現在64歳。働いてきた会社で再雇用として働いています。子どもは2人。2人ともすでに社会人です。4年前に支給された夫の退職金は2200万円でしたが、現在の貯蓄残高は、900万円。この4年間で貯蓄していた500万円と、退職金のうち1300万円の計1800万円を使ったことになります。

ご相談にみえたのは、昨年末。支給から4年が経つころでした。その間、1800万円を使ったことに気がつかなかった、というのですから、使い果たしたというのは大げさですが、かなりの使いっぷりで、冒頭のA子さんの嘆きとなるわけです。最初は、計画的に使っていたとのことですが、A子さんの家計は、実際、どのようにお金を使っていったのでしょうか?

■住宅ローン残債の一括返済、教育ローン返済、水回りのリフォームに900万円を使う
まず、退職金が支給されたときに、住宅ローンの残債600万円を一括で返済。さらに教育ローンの残金の返済に100万円。家の水回りのリフォームに200万円。と、当初から使う予定とのことですが、ここまでで計900万円を1年もたたないうちに使いました。

「残りの900万円の使い道ですけど、70万円で退職祝いにと夫婦でヨーロッパに旅行に行きました。それに夫婦で頑張ったご褒美として、それぞれが以前から欲しかったものを夫は20万円、私は10万円の予算で買いました。でも、贅沢をしたのはそのくらいで、ほとんどが生活費で消えていったんです」

A子さんの夫の年収は、50歳から55歳までが1200万円。56歳から退職までが800万円。60歳の再雇用で現在400万円。と変化してきました。生活費で使ってしまったという800万円は、毎年200万円のとりくずしをした結果です。再雇用で働き始めて、年収が400万円になったときから赤字家計になっているわけですが、その点についてA子さんはこう言います。

■夫のゴルフ代と車関連の支出で家計が赤字に
「夫は現役時代と同じように、毎週土曜日には友達とゴルフに出かけて、その費用が生活スタイルに合っていないんです」とのこと。確かにお金の使い方を見ると、ゴルフの費用に加えて、ガソリン代などの車関係費の出費は家計にかなりの負担になってはいますが、それが取り崩しの原因のすべてではありません。A子さんが家計の赤字を深刻にとらえていなかった要因は、現役時代のやりくりの仕方にありました。

A子さんの夫の会社は、ボーナスや特別支給の比重が多く、月収ベースは同じ年収の他の会社よりも少し少ないと感じるくらいです。そのため、子どもが高校から大学へ進学するころは、毎月家計は赤字。ボーナスで補てんするという生活を続けていました。それでも、年単位では赤字になることなく、2人の子どもの進学費用はある程度賄える状況ではありました。

A子さんのように長年「ボーナスで月々の赤字を補てんする」人は、毎月の赤字を貯蓄やボーナスで取り崩すことに抵抗感がない傾向にあります。A子さんも月収が激減していることは承知していましたので、それなりに支出を減らして対応してきたようですが、

「こんな生活はまずいなとは思っていたんですけれども、退職金があると思うと、不足分の取り崩しにあまり抵抗はなかったです」。さらに、「引き出したときに、残高を見ることもしませんでした」といいます。

A子さんのようなご家庭は、実は多いのです。再雇用から5年間、生活費の取り崩しだけで1000万円も使ってしまって、歯止めがかからなかったというご家庭を何十件も見てきました。退職金は、ご褒美などではなく、長い老後生活の補てんにすぎないのだという認識を持つべきだと思うのですが、「このくらいなら、使ってもいいわよね」と、「なかなか減らないお金である」という幻想を抱いてしまう人が多いからです。

100年人生といわれる昨今。もらった退職金を生活の補てんと考えると毎月いくらになるか計算してみれば、無茶な使い方はなくなるのです。A子さんのご家庭の場合、2200万円を

・40年間(100歳まで)で使うとすると 毎月45,833円
・30年間(90歳まで)で使うとすると 毎月61,111円

年金生活の補助にすぎないことがお分かりになるでしょう。

■退職金を大幅に減らしてしまう家庭の共通点
A子さんの家計の状況をさらに見ていくと、退職金を大幅に減らしてしまうご家庭の共通点が見えてきます。

■50代のお給料が良かったときの生活を何となく続けている
これが一番怖いのです。前述したように、以前から、毎月が赤字でもボーナス補てんしている人は、入ってくるお金の範囲でやりくりをしようとは思っていないため、お給料が激減しても頭の切り替えができていません。

■日頃から「予算を立てて、それを守る」というやりくりの習慣がない
実は、予算を立てているか?と聞くと「一応立てている」という人は多いのですが、実際には「守れる予算」になっていない人は多いのです。単なる「希望的観測予算」で、それをしっかり守ろうと思っている人はほとんどいません。

■家計簿をつけてはいるが集計していない、貯蓄残高を定期的にチェックする習慣を持たない
家計簿をつけてはいても集計していないので、現状の赤字が見えていないため、取り崩している額の積み重ねが実感できない人が多い。また、貯金の残高は定期的にチェックする必要があります。

■住宅ローンを退職金で一括返済してしまう
退職金でローンを完済すると、達成感よりもすっきり感や開放感が強く、毎月返済していた分を生活費に回していこうというよりも、その分のお金で、新たなものを購入する、あるいは習い事や趣味に使うなど、新たな消費に向かうことが多いのです。

こうしたお気楽さが、取り戻せない後悔につながるのです。せっかくの退職金ですから、慰労の意味での旅行もご褒美を買うことも良いです。リタイア後は、楽しむときは大いに楽しみ、引き締めるべきときはぐっと引き締める、メリハリのある生活をめざしましょう。そのためには、これから先の長い人生を最低でも30年というスパンでみて、退職金の使い方を考える必要があります。

再雇用の年収は50代になればわかります。公的年金の額も50代になれば、お知らせが来ますので分かります。50代のうちに、60歳以降の収入が予測できるわけなので、50代のうちに収入の範囲で暮らす準備ができるはずなんです。50代の家計管理は、幸せな安心老後をむかえられるかどうかのターニングポイントになります。くれぐれも怠りませんように。A子さんのような後悔をなさらないことを願っております。

安田 まゆみ(マネーガイド)


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