■認知症と予備軍を合わせると約862万人!
65歳以上の高齢者のうち、認知症を患っている人は約462万人、MCI(正常と認知症の中間の人=認知症予備軍)の人は約400万人と推計されています(2012年・厚生労働省)。実に、約862万人が認知症とその予備軍ということになります。

そして、団塊の世代が75歳以上の後期高齢者の仲間入りをする2025年には、認知症の患者数は約700万人に増えると推計されています。

公的介護保険で要介護認定者(要介護1〜5)になった原因の第1位は認知症(24.8%)で、第2位の脳血管疾患(18.4%)を大きく上回りました(2016年・厚生労働省)。認知症で要介護者になることは珍しくないということですね。

要介護者になるとお金がかかりますし、介護施設に入ることになったらもっとお金がかかります。もし、子どもが介護のために仕事をやめることになると、子どもが収入を得る機会を奪うことになり、親子双方の経済的損失は大きいと言わざるをえません。

介護離職の理由が親の認知症とは限りませんが、年間約10万人が介護離職をしているそうです。認知症が予防できる病なら予防したいものです。その手かがりが見えてきました。

■糖尿病・高血圧の人は認知症になるリスクが高い!
九州大学の「わが国における高齢者認知症の実態と対策:久山町研究(福岡県久山町の町民を対象とした疫学研究。60歳以上の町民約1000人を15年間追跡調査)」によると、60歳以上の住民が死亡するまでのいずれかの時点で、認知症を発症する確率は55%。2人に1人は認知症になるということで、がんの罹患率に匹敵します。

認知症にはいくつかの種類がありますが、多いのはアルツハイマー病(50%)と血管性認知症(20%)です。上記研究で、この2種類の認知症と糖尿病、血圧の関係を調査しています。その結果、糖尿病の人はそうではない人と比べて、アルツハイマー病になるリスクは2.1倍、血管性認知症になるリスクは1.8倍でした。

血圧との関係は、高血圧の人がアルツハイマー病になるリスクは正常な人とほぼ変わらないのに対して、血管性認知症になるリスクは中年期に高血圧だった人ほど高い結果でした。

糖尿病も高血圧も、いわゆる生活習慣病です。生活習慣病の原因は完全に解明されているわけではありませんが、食べ過ぎ、食べ過ぎによる肥満、お酒の飲み過ぎ、運動不足、不規則な生活、喫煙、ストレスなどです。

これら生活習慣の改善は、高齢になってから始めるより、遅くとも50代に入ってから始めたいもの。その方が認知症予防効果は期待できます。

仕事をしながら、生活習慣に気を付けるのは大変かもしれませんが、意識していい生活習慣を身に付けましょう。生活習慣の乱れが原因の病は認知症だけではないので、それらを防ぐこともできますから。

認知症にならずに老後を過ごす――これが老後に余計なお金を使わないで済ます一つの方法といえます。そして、それは、自分自身と家族の幸せでもあります。

※All About生命保険ガイド・小川千尋さんの記事を編集部、税金ガイド坂口猛さんが最新情報に加筆

参考資料:認知症を防いで、老後に余計なお金を使わない!(https://allabout.co.jp/gm/gc/466533/)記事下段に記載

小川 千尋