ヒプアニは、バトルものであり、インド映画です!

エンタメの粋を集めたバトルシーンは必見。

「言ってしまえば、ヒプアニは暴力を使わない(ラップ)バトルアニメなんです。アニメのラップシーンは少年バトルアニメっぽさを感じるのですが、それで終わらない。ヒプノシスマイクを起動してスピーカーを展開するシーンは、どこか魔法少女っぽくて、思わず叫んでしまったほど(笑)。変身するわけではありませんが、ド派手なスピーカーが出てくる演出が、魔法少女もので変身する時に感じるときめきと同じ種類の興奮があって…。まさかラップバトルで女児心まで満たされるとは思いませんでした。

声優さんたちのラップとイラスト、それにリリックを組み合わせたMVを中心とした原作の世界観も、最高にかっこよかったのですが、ヒプアニでは、ラップが本当にバトルシーンとして昇華されていて。その映像だけでもMVとして観賞できる完成度なんです。これからヒプノシスマイクを知る人にとっては、とっつきやすく、間口も広がったと思います。例えるならインド映画。インド映画って、初めて観る人も、歌と踊りとあの有無を言わさぬエンタメ力で誰もが楽しめますよね。ヒプアニもまさにそれです。爆発したりなど少し大げさな演出も、『エンタメ力!』って感じで大好きです。最高に気持ちがいいんです」

アニメになってあらためて声優さんのすごさを実感。

「本当にいまさらなんですが、これまでCDやライブでラップをしていたあの神々が、本当にアニメの声優をされている! と当たり前のことを実感しました(笑)。今までも声優さんたちのラップはすごかったけど、今回はさらにすごみを増していて! 私たちが想像していなかった新しい世界を見せてくれる。とてつもなく惚れ惚れします。

また、ストーリーも見逃せません。チームごとの絆はもちろん、各ディビジョンの関係性がわかるのも興味深いです。麻天狼の3人が一郎を心配したり、MTCの3人が闇カジノで帝統を助けたり…。帝統が理鶯に懐いているような描写も、アニメで見るとより可愛いです(笑)。今までドラマトラックや歌詞から必死に読み解いて考察してきた関係性が、このアニメで補完され、さらに新しい文脈が花開いていく感じがいいですよね。

日本人が嗜んできた短歌や俳句は、制限された文字数に言葉を乗せて、こぼれた部分は想像に託す。それってラップに通ずるところがあると思うのですが、ヒプマイというコンテンツが持つ余白の奥深さもまた同じ。これまで私たちは制約されたラップのリリックの中からストーリーを楽しんできたけれど、アニメではその余白がどのように表現されていくのかが楽しみです」

毎週、新曲が聴けるなんてご褒美がすぎる!

「毎週新曲を浴びるように楽しめる…って一体どんなご褒美なんですかね!? 第1話では、4ディビジョン12名の新しいラップが聴けるという贅沢ぶりで、それぞれのカラーがしっかり表現されています。イケブクロは熱い感じが“らしい”ですし、ヨコハマは異色の3人のハードコアな印象が強く、シブヤはとにかく可愛い! シンジュクはアダルトかつカタルシス。ディビジョンの紹介としてまさにパーフェクト。アニメで初めてヒプマイに触れる人も、第1話を見るだけで全員の個性がわかりますよね。初めて見る人も、どのディビジョンの誰を推すか選びやすいと思うので、ヒプノシスマイクが気になっていた人は『ヒプアニ』から入門するのがオススメですよ」

犬山紙子的“ヒプアニ”偏愛ポイント

いち兄、救出作戦! ただならぬ三兄弟の絆。

「イケブクロ最強の三兄弟の絆がエモい! 立てこもり事件に巻き込まれた一郎ですが、目線だけで言いたいことを感じ取る三郎、すごくないですか!? それだけ通じ合ってるってことですよね。そしてお兄ちゃんのマイクをお手入れしている二郎も可愛すぎます」

左馬刻の家族への想い。MTCの関係にさらなる興味。

「妹のために自分を裏切った部下に破門を言い渡しながら、実はこの世界から足を洗わせた左馬刻のやさしさが沁みます。銃兎のドラッグを根絶させるという強い意志も伝わってくる。そんな左馬刻と銃兎が、理鶯の料理には何も言えないという関係性も素敵です」

まるでライブステージ。ポッセの“魅せる”ラップ。

「“魔法少女”感が強いポッセ。可愛さと毒が共存する乱数、個人主義に見えて仲間大好きな幻太郎、お金を無心する帝統。そんな3人がまとまる奇跡! 第1話で、ポッセだけはバトルじゃなくて路上ライブで帝統の負け分を稼ごうとするのも、個性派のポッセらしい」

傷付いた大人たちが寄り添うような麻天狼。

「傷ついた大人が寄り添い合っている麻天狼。アニメでも3人が助け合います。神々しい寂雷に独歩と一二三の人間くささが融合しているところが魅力的。神話レベルの寂雷ラップ、一二三の顔の眩しさ、独歩が同僚に呼び捨てにされているところ、興味深かったです」

“中王区のオンナ”側の目線で12人を見ているような気分に。

「第1話で中王区の東方天乙統女と勘解由小路無花果(かでのこうじいちじく)の2人が登場。4つのディビジョンを調査している…という演出から、視聴者の私たちも中王区のオンナの目線で彼らを見ているような気持ちになれるんです」

気になる第5話は10月30日24時から、TOKYO MXほかにて放送!
『ヒプノシスマイク-Division Rap Battle-』Rhyme Anima ABEMAにて地上波同時配信ほか各種配信プラットフォームにて配信。©『ヒプノシスマイク-Division Rap Battle-』Rhyme Anima製作委員会 

犬山紙子さん イラストエッセイスト。日本テレビ『スッキリ』などでコメンテーターを務める。本誌で「SanPaKuちゃんのわがまま気まま愛のRoom」を連載中。

※『anan』2020年11月4日号より。写真・内山めぐみ 取材、文・尹 秀姫

(by anan編集部)