ananwebの人気連載「黒猫心理テスト」に登場する黒猫3きょうだいは、実は実在モデルがいます。「センスのいいジジさん」はアニマルシェルター『ライフボート』出身。動物を愛する漫画家・イラストレーターの犬養ヒロさんが『ライフボート』にうかがって、アニマルシェルターを取材しました。

取材・文・写真・イラスト 犬養ヒロ


左から、シニカルなくーさん、センスのいいジジさん、末っ子の無邪気なチャムさん。

「アニマルシェルター」って?

日本では年間、約4万頭の犬猫たちが保健所などの行政機関で殺処分せざるを得ない状況になっています。その機会を減らすためにあるのが、避難所や保護施設です。

今回縁あってうかがった『ライフボート』は、アニマルシェルター。シェルターとは、「避難所」という意味で、アニマルシェルターは、「動物の保護施設」です。アニマルシェルターでは、行き場のない動物を保護し、里親探しをしたり、いろいろな活動をしています。

「黒猫心理テスト」の人気キャラクター、くー、ジジ、チャムを描きながら、リアルジジちゃんの出身地である「アニマルシェルター」について、どんな所なのか詳しく知りたいという思いがあったのです。

アニマルシェルター『ライフボート』に潜入!

千葉県柏市の動物保護施設『NPO法人犬と猫のためのライフボート』では、保健所などの行政機関に持ち込まれ、殺処分される犬猫を一頭でも多く救うために、里親(新しい飼い主)を探す活動を行っています。

現在、『ライフボート』のシェルターでは、千葉県、茨城県を中心に全国7自治体から、年間1,000頭以上の子犬や子猫を受け入れています。行政機関と連絡を取り合いながら子犬や子猫の収容状況を確認し、毎週のように保健所に出向き、処分される可能性のある子たちをできるかぎり保護します。シェルターに引き取って、譲渡できる状態になるまで育てることができれば、家族を見つけてあげる可能性が高くなるからです。



ジジ 世間で美猫と名高い、私の出生の秘密を知りたいですって…? 私は、アニマルシェルター『ライフボート』出身なの。

1. 子猫隔離ルーム



ジジ ここは、シェルターに来た子が必ず一定期間過ごす、特別なスペースなの。病気の有無を調べて、毎日体重をチェックして、健康の管理をするのよ。ちびっこの時期は、冷えが大敵。室内の温度管理はとっても大事なの。全ての部屋に、温度センサーが取り付けられているのよ。

ーー行政機関に持ち込まれる子達は、劣悪な環境で過ごしていたりする場合も少なくありません。病気や寄生虫に冒されているだけでなく、飢餓状態にいた子もたくさんいます。動物を育てるには、熱意だけでなく知識と経験が必要ということがわかります。

ジジ 健康管理は、バッチリ。その子の体調に合わせてフードにも気をつけてくれるの。シェルターに来て命の安全が確保されたから、安心して眠れるのよ。

2. アニマルクリニック



ジジ 動物病院が併設されているの。ドクターはとっても優しいのよ。

ーーシェルターには保護動物専用の病院が併設され、保護した動物達の治療とワクチン接種、駆虫、などが行われています。保護された動物たちには、もれなく、避妊手術が施されます。

チャム なんで、避妊手術をするの?
犬養 2匹の猫が3年後、最大何匹に増えるか知っている?

ーー自然のままにしておくと、1匹の猫は繁殖により、年間で15匹に増えます。3年後、2匹の猫が2,000匹に増えることも! 犬猫の健康のため、また、保護、管理しきれない不幸な命をこれ以上増やさないために、シェルターでは、譲渡の前に去勢、避妊治療を徹底しています。これにより、発情期の問題行動による里親さんの負担なども軽減されます。



ジジ シェルターのみんなに、毎日大切にお世話をされて、運命の出会いを待つの!

3. 面会ルーム

いよいよ、里親(新しい飼い主)との出会いが待っています。

新しい家族の一員として一生幸せに過ごしてほしい…という願いを込めて、行政機関の職員の方達、ライフボートのスタッフ、ボランティアさん、そして支援者の方達の願いに見送られながら、譲渡適齢期まで育った子犬子猫が里親さんに引き取られていきます。

行政機関から引き取った子犬や子猫をシェルターで一時的に保護し、助けた子たちを里親さんに託し、命のバトンを繋いでいくことで、シェルターでは次の子を助けてあげることができるのです。



ジジ いいこと? みんな、とってもかわいいから自信を持って。運命の出会いを信じるのよ!

シェルターの設備は、決して完全なものではありません。小屋のほとんどはスタッフやボランティアさんの手作りで、十分な広さの部屋を与えてやることもなかなかできません。それでも、日々試行錯誤しながら限られた資金や人手で一頭でも多くの命を救うために活動しています。

保護活動を開始した1998年から、地道な努力を重ね、多数のボランティアや支援者、協力者のみなさまの暖かいご支援に支えられながら、2020年1月には、犬猫の累計救命数が19,000頭を超えました。

ライフボート 行政での「殺処分ゼロ」を目標に、これからも犬と猫のために手を伸ばして、一歩一歩、歩んでいきます。

シェルターにいる子たちは、どの子もみんなとてもかわいかったです。犬や猫に、悪い子やダメな子はいません。シェルターの子たちみんなが、心優しい里親さんと出会えることを願ってやみません。

「あなたにもできることが、きっとある」

この記事が、動物好きの優しい方々にシェアされて、シェルターにいる子たちに支援の輪が広がりますように。願いを込めて。

Information

取材協力・NPO法人犬と猫のためのライフボート

犬養ヒロ/漫画家・イラストレーター
犬猫鳥魚と暮らす動物好き。