パリはいいなぁ。三つ星レストランを訪れるのもいいけど、サン=ジェルマン=デ=プレ辺りの老舗カフェでヴァン・ショーを飲むのもいい。かつて、カフェは社交場のひとつだったみたい。哲学者や芸術家が、言い争いに近いような闊達な議論を交わしていたとか。異なる意見を持つ人と話し合うのはとても気力の要ること。でも、語り合ううちに自ずと自分の考え方もまとまるから不思議。そうか、昔のパリは街全体が大きな「トキワ荘」のようなものだったのかもしれないなぁ。


絵・文/水野 学

みずの・まなぶ/クリエイティブディレクター。〈good design company〉代表。近著に、山口周氏との対談による共著『世界観をつくる 「感性×知性」の仕事術』(朝日新聞出版)。