武漢と姉妹都市キエフの市長クリチコ氏「武漢と密に情報共有し合っている」

 世界的に新型コロナウイルスの感染が拡大する中、元ボクシング世界王者の市長が沈静化に奮闘しているという。米ボクシング専門誌「ザ・リング」が報じている。

 同誌のインタビューに登場したのは、元ヘビー級2団体王者ビタリ・クリチコ(ウクライナ)だ。キックボクシングから転身し、47戦45勝(41KO)と圧倒的な成績で「鉄拳博士」の異名を取った48歳は現在、ウクライナの首都キエフの市長を務めている。ウイルス感染拡大に尽力している最中、電話インタビューに応じたという。

 市長を務めているキエフは中国・武漢の姉妹都市。特に被害が深刻だったこともあり、武漢から受けた情報提供が役に立ったという。クリチコ氏は「武漢市がキエフとの姉妹都市の1つであることはご存知かと思います。我々は現地の専門家と連絡を取りながら、人々をウイルスの感染から防ぐための専門知識やノウハウを密に共有し合っています」と明かしている。

「彼らは感染のリスクが非常に高い医師や看護師が自身の身を守るために取るべき行動のガイドラインも提供してくれました」と感謝。「我々はそのガイドラインや彼らからのアドバイスを新型コロナ禍関連の意思決定プロセスに役立て、ドイツ・ベルリンを拠点とする感染研究所『ロベルト・コッホ研究所』の所長にも意見を伺いました」と武漢との連携が役立ったという。

 その成果について「初期の段階で強制した厳格な規制の数々によって、ウイルスの蔓延を遅らせるのに必要な時間を稼ぐことができたと確信しています。現在のキエフの状況は安定しており、これまでのところ、イタリアやスペインのようなシナリオから脱しているのではないかと思います」と強調し、他のヨーロッパの都市のような危機的な状況ではないとしている。

不眠不休で感染防止に奔走「しかし、我々はこの困難を乗り越えていける」

 インタビューでは「この新型コロナウイルス禍を陰謀だと語る人を無責任だと感じますか?」との問いも受けた。クリチコ氏は「はい。我々は世界のほとんどの国が新型コロナウイルス感染の影響を受けているのを目の当たりにしています。死者数も多いです。陰謀論は医療の専門家たちへの信頼を傷つけ、人々に新型コロナウイルスの深刻さを軽視させてしまいます」と訴えた。

「それは非常に危険なことです。誰かが感染していると分かれば、そうした陰謀論は消えてしまいます。絶体絶命の状況を前にすると、そのようなことを話す時間も気持ちもなくなってしまうのです」

 市長として、市民の命を守るために奔走する日々。最後には、自身の日々の生活についても明かした。「ここまでノンストップで働き続けるなんて、思いもしなかったですね。今や私の仕事は1週間ぶっ続け、1日のほぼすべて働いているという状況です。平常の生活にいつ戻れるかなんて分かりもしません」と不眠不休で働いているとしながら、こう断言していた。

「キエフで起こるすべてのことに責任を負って以降、困難はありますが、特にこの感染拡大の期間においては特別です。しかし、我々はこの困難を乗り越えていけると、私は固く信じています」(THE ANSWER編集部)