新型コロナ禍の今こそ「ONE TEAM」に―ラグビーW杯の名珍場面を連日回想

 新型コロナウイルス感染拡大の影響で、多くのスポーツイベントが延期、中止を余儀なくされている。日本が元気を失いかけている今、振り返りたいのが昨秋のラグビーワールドカップ(W杯)だ。グラウンド内外で様々なドラマが生まれた大会の名珍場面を「甦るラグビーW杯」としてプレーバックする。今回は英公共放送「BBC」の特集を再度紹介。「ラグビーW杯2019 日本での記憶に残った瞬間たち」と題された特集の中で、日本が準々決勝で戦った南アフリカ戦の試合前のシーンについて「W杯魅力的な瞬間」に挙げ、称賛を送っていた。

 44日間に渡った大会について、記事では「アジアで行われた最初のラグビーW杯であり、開催国の日本による素晴らしい躍進、破壊的な台風、素晴らしいサポーターたちが注目を集めた。また、南アフリカの優勝は国内情勢の悪化によって混乱する国民の希望の星であったことも印象的だった」とした上で「魅力的な瞬間」を11個をピックアップしていた。

 その一つに挙げられたのが「W杯に火をつけた日本の劇的な勝利」だった。大会前の南アフリカ戦は7-41で完敗。寸評では「片手で握り潰されたかのような大敗」と評し、前評判は高くなく、不安な船出となったことを記していた。しかし、開幕戦のロシアに続き、世界ランク2位のアイルランドを撃破。「信じられない番狂わせを実現させ、熱狂的なファンは大盛り上がりとなった」と記述していた。

 その上で「スコットランドに劇的な勝利を収めたことで、そのプールの頂点からの景色を日本国民は見ることができた」と4連勝で首位通過したことを称賛。準々決勝で南アフリカに敗れたものの、記事では「彼らは攻撃的なラグビーという、見ていて面白いという評判と共に十分すぎる称賛を勝ち取ることができた」と評していた。

南アフリカ戦前の国歌斉唱「日本の選手、ファンが犠牲者を思い、涙した」

 ピッチ上の選手ばかりじゃない。大会を支えた関係者の尽力も忘れなかった。「感動的な賛辞」との項目で、台風19号が直撃したことも挙げた。多くの犠牲者が出て、大会史上初の試合中止も発生したと紹介。しかし、翌日の日本―スコットランドについては「ボランティアと大会スタッフたちは予定されていた試合を開催させるために、夜通し準備を行った」と伝えていた。

 試合は日本が28-21で勝利し、8強進出。「スコットランドを打ち負かした開催国の日本は、感情的になりながらも初の決勝トーナメントの舞台に立った。そこで流れた日本国歌と共に感傷的になった日本の選手やファンは命を落とした人々を思って涙を流した」と記し、流大らが涙した南アフリカ戦の国歌斉唱を感動的なシーンに挙げていた。

 昨秋のW杯は試合のみならず、ホスト国としてのおもてなしなど、様々なトピックが人々の記憶に刻まれた。ラグビーの母国である英公共放送にとっても、そんな44日間は特別なものとなったようだった。(THE ANSWER編集部)