23年前の「6・29」に起こした事件で失ったものとは…米分析

 ボクシングの歴史上で今なお、大事件として記憶される、マイク・タイソン(米国)の“耳噛み事件”。1997年6月28日(日本時間29日)、WBA世界ヘビー級タイトルマッチ、イベンダー・ホリフィールド(米国)戦から23年がたったが、あの事件によりタイソンは1億ドル(約107億円)の損失を出したという。米スポーツ専門メディア「ブリーチャーレポート」が特集している。

 歴史的珍事が起きたのは突然だった。3回にクリンチで絡み合った両者。タイソンの顔がホリフィールドの横顔に接触した次の瞬間だ。ホリフィールドが急に跳び上がり、レフェリーが怪訝な顔で確認する。観衆には何が起きたのかわからない。リング奥に映るファンもキョトンとしている。ここでレフェリーは試合を中断した。

 ホリフィールドは相手に背を向け、ロープに向かって歩き出す。しかし、タイソンが追いかけて背中から突き飛ばした。舌なめずりをする野獣タイソン。なんと右耳の外側部分2センチを食いちぎっていたのだ。ドクターチェック後に再開したが、今度は左耳にもかみついて同回終了と同時に失格負け。これにより、18か月の謹慎処分を受けた。

 23年前のこの日起きた、歴史的な珍事に再び脚光を浴びせた同メディアは「マイク・タイソンがホリフィールドの耳を噛んだことは1億ドルの損失に値する」と題した記事で回想。米スポーツ専門メディア「ジ・アクションネットワーク」のダレン・ロヴェル氏がタイソンの失格による損失を試算。タイソンが失った金額は1億ドル以上だと伝えている。

謹慎期間中に2試合が可能「報酬を得られたはずだった」

 ブリーチャーリポートは「タイソンは3000万ドルのファイトマネーから300万ドルの罰金を支払い、18か月の謹慎処分を受けた。ロヴェル氏の試算は、この謹慎期間中、本来なら2つのビッグマッチを開催し、報酬を得られたはずだったという予想からきている」と説明している。

 さらに「正確な金額を示すのは不可能なことなのだが、タイソンはこれまで大金を生む例を示してきた。2002年にはタイソンは全盛期を過ぎていたが、長年待望されてきたレノックス・ルイスとの試合では195万人によるペイ・パー・ビューの購入があった。これはPPVだけで1億700万ドルの収益があったことを意味する」と損失1億ドルの根拠を伝えている。

 また米経済誌「フォーブス」によると、タイソンがキャリアで稼いだ金額は6億8500万ドル(734億円)だと試算されているという。(THE ANSWER編集部)