特別連載「#今こそひとつに」、なでしこジャパンで女子W杯を率いた名将の言葉

 この春、新型コロナウイルスが拡大し、各地で「STAY HOME」の動きが広がった。一歩ずつ、収束に向かう中で今なお、医療従事者をはじめ、社会のインフラを支える人々はリスクを背負い、最前線で私たちの暮らしを支えてくれている。誰もが身近で「命を支える人」「生活を支える人」「社会を支える人」に感謝の気持ちを抱いた瞬間があるのではないか。

 株式会社「Creative2」は、各界の著名人らが感謝の気持ちを発信する「HEARTS AS ONE」プロジェクトを立ち上げ、運営する5つのメディアが横断した特別連載「#今こそひとつに」を展開中。「THE ANSWER」には今回、元サッカー女子日本代表監督の佐々木則夫氏が登場。11年女子ワールドカップ(W杯)を制した名将は、コロナとの戦いに必要な「3つの心」を説いた。

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 なでしこジャパンを世界一に導いた名将は、コロナとの戦い方をずっと考えている。

「まさしく目に見えない敵との戦い。そんな中で私自身も、このコロナウイルスに勝つには誰かに頼るのみならず、一人一人が一丸となって、この難敵に向かうということ。これに尽きる」

 春から襲った未曾有の感染症。命を守る医療従事者、社会インフラを守る関係者らが最前線で戦ってくれている。しかし、だからといって他人任せにならず、まずは自分ができることを徹底する。それが、国難に立たされた今、最も大切だ。

 佐々木氏自身、大きな困難を乗り越え、掴んだ栄冠がある。なでしこジャパンを率いた2011年。大会3か月前に東日本大震災に遭い、一時は出場すら危ぶまれる状況からチームを一つにまとめ上げて優勝を飾り、日本中に勇気を与えた。

 当時の経験を引き合いに出して、佐々木氏はコロナとの戦いに必要な「3つの心」を説いた。

 1つ目は「思いやる心」。

「ピッチ内ではもちろん、味方を案ずる思いやりのパスが必要だし、状況を見据えての思いやりを持ったカバー、そしてコーチング。サッカーは双方に思いやりがなければ、達成することができない。ピッチ外においても選手間のコミュニケーション、コンディションの調整という部分。どれだけ思いやりが大切だったかを痛感した。それが世界を制することにつながった」

 佐々木氏自身、ステイホーム期間中は夫婦2人で過ごす時間が増えた。「こんなに長く家の中で妻と生活することはなかった」というが、掃除、洗濯に食事を1日3回作ってくれることに改めて感謝を持ち、思いやりの大切さを痛感したという。

 加えて、心を痛めていたのは風評被害。医療従事者らの家族らに近寄らないなどのニュースを見聞きした。「これは絶対にあってはならない。もっともっと思いやりの心を持って接することが大切」と訴えた。

大切なのは「一丸となる心」と訴え「これは『誰かがやればいい』という問題ではない」

 2つ目は「感謝する心」。

 選手にはスランプ、怪我に直面することがある。なでしこジャパンを率いていた時、「もうサッカーを辞めてしまいたい」と言われたこともあった。しかし、ある選手の言葉が印象的だったという。

「これまで一人だけでやってこられたわけではなく、様々な方に支えられて選手としてやってこられた。そういう方への感謝の気持ちが自分のサッカー人生の支えになっていました」

 佐々木氏は「本当にそうだと思う。私自身もこれまでサッカーに携れたのは私一人でできたことではない。様々な方にサポートしていただいた」と言い、この「感謝する心」を今の社会に置き換える。

「医療従事者、社会生活を支えていただく様々な方が、危険を冒しながらの尽力により、私たちの生活が成り立っている。こういう感謝の心をもって、しっかりと見つめ直せば、一人一人がコロナに対する対策で何をすべきかはっきりする」

 3つ目は「一丸となる心」。

 世界一を目指す中で壁にぶつかることがあった。しかし、そんな時はいつも一つの原点に立ち返ることで乗り越えた。「世界を制するという目標があり、そのために一丸となり、目標に向けて鍛錬してきた。その結果の優勝だった」と振り返る。

 緊急事態宣言が解除されても、医療従事者だけ、社会インフラを支える人だけ、国・行政だけと、それぞれ努力をするのではなく、「一つ一つが一丸となり、国民とともにやっていかなければいけない」と佐々木氏は言う。

「一丸となるパワーはなでしこジャパンで経験した。確かに二十数人の結束だったかもしれないけど、その裏では多くの方々がサポートした結束もあった。これは『誰かがやればいい』という問題ではない。一人一人が一丸とならなければ、未来に辿り着くことはできない。ぜひ、日本が一丸となって、このコロナウイルスと戦う意識をしっかりと見つめ直し、頑張っていきましょう」

 その上で、こう結んだ。

「それが未来につながる。新たな世界が広がる。そして、この経験がさらに未来に生きます」

■特別連載「#今こそひとつに」展開中

 新型コロナウイルスの感染拡大で社会状況が厳しい中、誰もが「命を支える人」「生活を支える人」「社会を支える人」に感謝の気持ちを抱いた瞬間があると思います。医療従事者や社会インフラの維持に尽力する人たちにその思いを届けたい、人と人との“距離”が遠い今だからこそ、みんなの心をひとつにしたい――。頑張る人たちにエールと感謝の気持ちを届けるため、様々な「声」を発信しています。また「THE ANSWER」を運営する「Creative2」が5月18日に開設した新サイト「HEARTS AS ONE 今こそひとつになろう」では、スポーツ界以外からも寄せられている著名人らのメッセージ動画も多数公開しています。(THE ANSWER編集部)