陸上男子200m走で18秒90の世界新誕生も、まさかの理由で取り消しに

 スイス・チューリッヒで行われている陸上の国際大会「インスピレーション・ゲームス2020」で、2019年世界陸上で男子200メートル金メダリストのノア・ライルズ(米国)が世界新記録を更新したが、前代未聞の理由で取り消しとなる珍事が起きた。09年にウサイン・ボルト(ジャマイカ)が記録した19秒19を上回る18秒90をマーク。経緯について英公共放送「BBC」が「こんなことはありえない」と報じている。

 新型コロナ禍の影響で、参加者それぞれが遠隔地のコースを走る形式となった今大会。クリストフ・ルメートル(フランス)、チェランディ・マルティナ(オランダ)と争った男子200メートルでは、ライルズが米フロリダ州ブラデントンのトラックで圧倒的な速さを見せたはずだった。

 3選手のレースが並べられた映像では、スタートから加速していったライルズが、他の2人より明らかに速くコーナーを曲がり終えた。バックストレートに入ると、最後はスピードを緩める余裕も。前人未到の18秒90。ボルトの大記録を塗り替える偉業となり、BBCでコメンテーターを務めるスティーブ・クラム氏は「こんなことはありえない。彼自身も両手を上げて、困惑しています」と語ったという。

 しかし、世界新誕生と思いきや、衝撃の展開が待っていた。

 記事では「5分後にクラムは明らかにした。フロリダで走った世界王者のライルは間違ったレーンでスタートし、他の競技場のライバルよりも15メートル短い距離だったのだ」と説明。なんと“185メートル走”だったために、記録は取り消しとなったという。

 圧勝したはずのライルズだが、映像内で「20秒67」だったルメートルにトップを譲る結果に。マルティナは「20秒82」だったようだ。リモートレースでなければ、気づいていた可能性の高い珍事。ライルズは「こんなことで俺の気持ちを弄ばないでくれ」とSNSに記している。(THE ANSWER編集部)