もがく中で感じた成長、渋野日向子「去年の方がスコアを出した数は多いけど…」

 女子ゴルフの国内ツアー・伊藤園レディス最終日は15日、千葉・グレートアイランドC(6741ヤード、パー72)にて無観客で行われた。この日22歳の誕生日を迎えた渋野日向子(サントリー)は5バーディー、2ボギーの69で回り、通算4アンダーで23位。今季国内初の決勝ラウンドで復活の兆しを見せ、オンライン会見では“成績では計れない”昨年からの成長について語った。

 渋野は成長を感じられる誕生日を過ごした。7番で164ヤードから1メートルにピタリ。「まあまあ、いやらしかったですね」と不安の残る微妙な距離だ。しかし、下りのスライスラインを入れきってバーディー。「(カップ1つ分)外すかどうかのラインに合わせて強めにしっかり打てた。今年はなかったもの。初めてこういうのが打てた」と自信を深めた。

 8番も151ヤードから1メートル半につけて連続バーディー。「できるだけ平常心を保ちながら、昨日は一打に一喜一憂してしまったので、そこをなるべく出さないようにと気を付けていました」。不調の一因だったショートパットに手応え。右足裏の痛みと付き合いながら、42位から23位に上げて大会を終えた。

 全英女子オープンを制し、フィーバーに沸いた1年前。国内でも初優勝を含む4勝を挙げた。カップをオーバーすることもいとわない強気な姿勢は武器の一つ。一喜一憂しながらも、ボギー直後にバーディーを奪うシーンが目立った。だが、結果を残せば残すほど、成績や期待など様々なプレッシャーが付きまとった。

夢の実現に必要なのは実力の底上げ「結果を出すために…」

 22歳が掲げる夢は海外メジャー全制覇。壮大なストーリーを完結させるには、勢いだけでは乗り越えられない壁が山ほどある。実力の底上げが必要。それは自分が一番理解している。そのためにパットだけでなく、アプローチでも細かな修正を繰り返し、殻を破ろうともがいてきた。

 今大会の第2日は、パットでストロークに意識がいってしまうことでスムーズに打てなかった。しかし、最終日は「スライスのシビアなところでも自分のリズムを大事にして、ほぼ外すことがなかった。今年に入ってからは初めての感触」とショートパットを強く打つ感覚を得られるようになってきた。さらに、改めて実感したことについてこう語る。

「意識で変わるな、と今年に入って凄くわかったし(パットを)一つ外すことでリズムが崩れて心の中の焦りも変わる。そういう意識だけで変わるなと思いました。(ゴルフにおける)自分の考え方も去年とちょっと変わっていると思う。パットの時にあまり強気で入ってないところは去年と違うところ。スコアで見たら去年はこれくらいを出していた数は多いけど、やっぱり自分自身がちょっとずつ変わっていっているかなというのはある。かなり成長を感じています」

 試合の緊張感の中、自分のメンタルコントロール次第で結果に繋がる。強気なハートが柱だった昨年から幅が広がりつつある。すぐに成績として表れるわけではないが、確かな成長があった。「ただ、意識で変わるということは、自分のリズムが体の中にまだ入っていないということ。自然とできるようになったというわけではないので、そこの意識はこれからも続けたい」と時間をかけて自分のものにしていく。

 今季の国内ツアーは6月の開幕戦、海外ツアー転戦を経た2週前の国内復帰戦でも予選落ちを喫したが、3戦目で初の予選通過だった。次週は昨年優勝した大王製紙エリエールレディス。2週後に国内最終戦を終えた後、12月には海外メジャー・全米女子オープンを控える。「結果を出すために、この22歳の1年間は本当に頑張っていくしかない」。シンデレラの成長曲線は描かれ始めたばかりだ。(THE ANSWER編集部)