「スポーツ界の名珍場面総集編」―9月にメッシングが演じた粋な計らい

 12月を迎え、様々な競技で盛り上がりを見せたスポーツ界を連日、振り返る「名珍場面2019」。今回は9月のフィギュアスケートのオータムクラシックで優勝した羽生結弦(ANA)に対し、キーガン・メッシング(カナダ)が行った粋な演出だ。表彰式の国歌演奏の際、台の後ろに立てられた日の丸の旗部分を手持ちで掲揚。米記者が実際のシーンを画像付きで公開すると、海外ファンに感動が広がった。

 王者に対する敬意が行動となって表れた。表彰式。優勝した羽生を称え、国歌が流される。その時だった。3位のメッシングが動いた。台の後ろに立てられていた国旗の旗部分を持ち、さっと日の丸を広げ、手持ちで掲揚したのだ。羽生は台を降り、メッシングが掲げる国旗に向かい、頭を下げて国歌を聞いた。互いの国と選手に対するリスペクトが表れる心温まるシーンだった。

 米名物記者のジャッキー・ウォン氏は、会場内のビジョンに写った実際のシーンを画像付きで公開。「キーガン・メッシングがユヅル・ハニュウを称え、君が代演奏中に日本国旗を持ち上げたシーンは過去最高にキーガンなことだった」とつづると、目の当たりにした海外ファンも感激の声を続々と上がった。

「キーガンはピュア」「キーガン、なんてナイスガイなんだ!」「まさしく。本当にグッドガイだね」「キーガンを尊敬する」「この瞬間(涙)」「キーガンの優しい心」などと声が上がり、IOC運営の五輪専門メディア「オリンピックチャンネル」、メッシングの母国カナダの放送局「CBC」も取り上げるなど、大きな反響を呼んだ。

 カナダへの日本移民第1号の永野万蔵を高祖父に持つメッシング。米スポーツ専門局「NBCスポーツ」によると、本人は「正直、本当に咄嗟に体が動いたんだ。国歌を流すアナウンスがあった時、国旗の準備ができていないことに気がついた。でも、もし自分があの(羽生の)立場だったら、国旗(掲揚)を望んだだろうね。だから、そうしたんだ」と行動の理由を明かしていた。

 今季は年内最大のビッグイベント、グランプリ(GP)ファイナルが終わり、今後は各国の国内選手権に移っていくフィギュア界。そんな中でメッシングが取った行動は多くのファンの脳裏に刻まれるものになった。(THE ANSWER編集部)