なぜか「ダサい」というイメージをもたれてしまう埼玉県。2019年には『翔んで埼玉』という、「ダサい」イメージそのものを題材にした映画も公開され、大きな反響を呼びました。

ところが、そんなイメージに反して埼玉県は都心にアクセスしやすく、住み心地の良い地域です。全国の人口ランキングは5位と、千葉県の6位を上回っています(2018年10月1日時点)。

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「ダサい」というイメージも、埼玉県が良いところである裏返しなのかもしれません。そんな埼玉県民にしか通じない「あるある」を、ちょっとのぞいてみませんか?

埼玉県愛にあふれた「さいたま郷土かるた」

群馬県には「上毛かるた」という、群馬県を題材にした、有名なかるたがあります。小学校の教材にもされているので、ほとんどの群馬県民は上毛かるたの内容を知っているほどです。

埼玉県にも同じようなかるたがあります。1982年に作られた「さいたま郷土かるた」です。読み札は「栄一も食べたネギ入りにぼうとう」(深谷市出身の渋沢栄一のこと)といったような、なんとも県民愛にあふれた内容です。

2002年には札の内容がリニューアルされ、名称も「彩の国21世紀郷土かるた」になりました。読み札の中には「シンボルはさいたまアリーナ新都心」といったように、昔にはなかった施設も登場しています。

県民の日に「あのテーマパーク」に行きがち

埼玉県民の日は11月14日。埼玉県下の学校などはお休みになります。この時に県民が行きがちなのが千葉県の舞浜にある「あの有名なテーマパーク」。平日であれば、他の県の人にとっては普通の日なので、園内が空いていることが期待できるのです。

ところが、みんな同じようなことを考えると、あのテーマパークでバッタリと知り合いに会う…なんてことも。ちょっと気まずいですね。

実は埼玉県民の日には、県内で無料や割引サービスを行っている施設があります。「東武動物公園」は3歳から大学生(短大生・専門学生含む)までの人が入場料無料。「西武園ゆうえんち」は、訪れた人全員が入場料無料。同じ県内ということで、行きやすさも考慮すると、こっちに行ったほうがいいのかも?
こちらは県民以外の人もお得にサービスを受けることができます。

「北辰テスト」は県民の青春そのもの

全国区どころか、実は埼玉県民しか知らない

「北辰テスト」は、1952年から北辰図書株式会社によって行われている中学生向けのテストです。1年間で8回実施され、県内の中学3年生の9割が受けています。県内の書店や塾に北辰テストのポスターが貼られているのは、もはや定番の風景といえるでしょう。

実は埼玉県民しか知らない? 「北辰テスト」(画像提供:個太郎塾 ふじみ野教室)

中学生といえば、自分の進路に悩む時期。埼玉県の中学生は、北辰テストの結果に一喜一憂しながら学校生活を送ることになります。北辰テストは、もちろん受験校を判断するときの材料にも使われます。

このくらい思い出深いテストだからでしょうか。埼玉県の人は「北辰テスト」が全国区のテストであると思っている人が多いようです。気づくのはいつの日か。

スーパーは「ヤオコー」か「ベルク」で決まり!

埼玉県民にとって、なくてはならない存在(画像提供:株式会社ヤオコー)

埼玉県で創業し、いまでも県内でかなりのシェアを占めているスーパーが2つあります。「ヤオコー」と「ベルク」です。ヤオコーは、関東地方を中心に店舗数166店。埼玉県内には89店です(2020年3月末時点)。一方ベルクは、関東地方を中心に114店。埼玉県内は75店です(2020年3月末時点)。

2つともかなりの規模で、東証一部上場企業です。ちょっとした、「地方スーパー」の域を超えているといえるでしょう。また、2つとも店舗面積を広めにとっていることもあり、県内における存在感は抜群です。このどちらかをいきつけのスーパーにしている県民も多いのではないでしょうか。

鴻巣(こうのす)の運転免許センターが遠すぎる

埼玉県の運転免許センターは鴻巣市にあります。地図で見てみると、鴻巣市は埼玉県のほぼ中央あたりに位置しています。ところが、県内の人口は、東京に近い南側に多く分布しているのです。このために鴻巣市は多くの県民にとって「遠い」場所になってしまっています。

また、運転免許センターの最寄り駅であるJR鴻巣駅の周囲が寂しいことも、「遠くまで来た」と感じさせる原因になっているのではないでしょうか。ちなみに埼玉県内で「鴻巣に行く」というと「免許センターに行く」と解釈されることが多いです。

運転免許センター内には食堂があります。実はここは埼玉県を中心とするうどんチェーン「山田うどん食堂」が協力していて、「山田うどん食堂」と同じメニューの一部を食べることができます。「パンチ丼」という耳慣れないメニュー(モツ煮丼)があるのはこのためです。ちょっとおっくうに感じる運転免許の更新ですが、食堂を楽しみに行ってみるのもいいかもしれません。

池袋までは埼玉だと思っている

東京都豊島区にある池袋駅。1日の平均乗車人員はJR池袋駅だけで56万人以上に達しており、JR新宿駅に次いで第2位になるそうです(2018年度)。

池袋駅はターミナル駅。JR埼京線、JR湘南新宿ライン、西武池袋線、東武東上線、東京メトロ副都心線、東京メトロ有楽町線など、埼玉県を走っている鉄道の多くが乗り入れています。このために、埼玉県民が一番身近に感じる都会はなんといっても池袋です。

きっと多くの県民の初デートは、池袋駅構内の「いけふくろう」で待ち合わせをして、「サンシャイン60」に向かう…なんてコースだったのではないでしょうか。もはや多くの県民にとって池袋はおなじみになりすぎて「池袋は埼玉県の一部」なんて思っている人も多いはず。

「浦和」がつく駅が多すぎる!

うっかり聞き間違えると大変なことになる場合も

埼玉県には「浦和」という地名がつく駅が8つもあります。「北浦和駅」「浦和駅」「南浦和駅」「西浦和駅」「東浦和駅」「武蔵浦和駅」「中浦和駅」「浦和美園駅」です。困るのが、路線も鉄道会社もバラバラで、場所も全然違うこと。ちょっと聞き間違えただけで、本来の目的から遠く離れた所に行ってしまうことも…。

ちなみに西浦和駅と浦和美園駅が最も離れており、直線距離で10キロを超えています。電車での所要時間は乗り換えを含んで25分程度。絶対に間違えられない駅名といえるでしょう。

「うまい、うますぎる」スイーツといえば…?

「うまい、うますぎる」のキャッチコピーでおなじみ(画像提供:株式会社十万石ふくさや)

熊谷市の「五家宝」、草加市の「草加せんべい」など、実はおいしいお菓子がたくさんある埼玉県。しかし県内で一番メジャーなお菓子は「十万石まんじゅう(じゅうまんごくまんじゅう)」ではないでしょうか。真っ白な皮に上質なあんこが入った十万石饅頭は、確かにおいしいです。しかし、県民の間で有名なのには別の理由があります。

それは1979年頃からから現在まで、埼玉県のローカルテレビ「テレ玉」でCMを放送していること。竹林の中に響く尺八の音。そこに男性の厳かな声で「風が語りかけます。うまい、うますぎる」というキャッチコピーが流れていきます。具体的な商品の説明は一切しないのですが、それが逆に強力なインパクトを生んでいます。

このCMを知らない埼玉県民はほぼいないのではないでしょうか。試しに埼玉県民に「風が語りかけます」と耳元でささやいてみてください。ノリのいい人ならきっと「うまい、うますぎる」と続けてくれるはずです。

<参考>
『人口推計(2018年(平成30年)10月1日現在)』(総務省統計局)
「各駅の乗車人員」(JR東日本)