中部電力が障害者雇用を進めるために設けた特例子会社「中電ウイング」(名古屋市南区)が、イチゴの生産に乗り出した。味も大きさもプロ顔負けという出来で、強豪の中部電力カーリング部の選手にも好まれている。品質向上と生産アップに磨きをかけ、2022年度の市販を目指す。

 名古屋市緑区の中部電の技術開発本部の一角。500平方メートルのビニールハウスで2800株のイチゴが水耕栽培されている。糖度が高い「よつぼし」や、甘みの中にさわやかな酸味がある「紅ほっぺ」、酸味が弱くて長円錐(えんすい)形の「章姫(あきひめ)」の3品種だ。

 昨年5月に始めた試験生産で最初の収穫期を迎え、知的障害や精神障害のある従業員が赤く色づいたイチゴを1粒ずつ丁寧に摘み取っていく。今季は1日に約10キロ取れ、イチゴパック換算で40個分。1個の大きさは15グラムほどが多いが、78グラムまで育ったものもある。作業をする吉川恵実さん(22)は「手入れや収穫は初めてで大変ですが、きれいにパックに並べる時は楽しい」と話す。

 うまくできたイチゴは、中部電本店の食堂などで1パック400〜500円で販売。中部電カーリング部は、「もぐもぐタイム」と話題になった試合の合間の栄養補給に使っている。16日まで長野県で開催中の「全農日本カーリング選手権大会」で連覇を狙っており、ここでも食べているという。