朝日新聞の主要100社アンケートでは、コロナ禍で企業が大きな痛手を被り、さまざまな事業の見直しを余儀なくされた状況が浮かび上がった。社会全体で未知のウイルスと共存する「ニューノーマル(新常態)」を見据え、新技術を活用したり、働き方を変えたりする動きも広がっている。

■小売業に厳しい影響

 コロナ禍で「悪影響があった」とした85社では、外出や営業自粛に伴う売り上げ減少や、生産・販売の縮小を挙げる声が目立った。

 特に厳しかったのが、客足が急減した小売業だ。阪急阪神百貨店を傘下に持つエイチ・ツー・オー(H2O)リテイリングの荒木直也社長は「勤め先からの帰りに立ち寄る需要が大きかった分、出勤者が減って利用が落ち込んだ」と話す。

 ローソンの竹増貞信社長も「繁華街では売り上げが2〜3割まで減った店もあった」とし、感染予防策や加盟店への支援などの負担が生じたと述べた。コンビニ大手各社は、需要の構造が「コロナ前」とは大きく変わったとみて品ぞろえの見直しを進める構え。今後、不採算店の整理も進みそうだ。

 緊急事態宣言は5月下旬に全面解除されたものの、感染の「第2波」のリスクは残る。経済活動とコロナ対策の両立がこの先も求められる状況に合わせ、業務のやり方を見直す機運も高まっている。

 鹿島がめざすのは、建設現場の「3密」回避だ。押味至一社長は「ロボット化・自動化・遠隔操作といった技術開発をさらに促進する」と話す。清水建設も社内につくった「ニューノーマル委員会」で、テレワーク下での決裁手法や中期経営計画の見直しの議論を始めた。

 コロナ禍は生活や消費のスタイルを大きく変え、幅広い産業に対応を迫っている。「デジタル化へのシフトで新たな需要が生み出される一方で、古い事業モデルのままだと立ちゆかなくなる状況が出てくる」。みずほフィナンシャルグループの猪股尚志執行役常務はこうみる。