高裁、ベネッセ側の不備認定 顧客情報流出で元SE減刑

 通信教育大手ベネッセホールディングス(HD)の顧客情報流出事件で、不正競争防止法違反の罪に問われた元システムエンジニアの松崎正臣被告(42)の控訴審判決が21日、東京高裁であった。朝山芳史裁判長は、顧客情報の管理が不適切だったベネッセ側にも落ち度があったと認め、被告を懲役3年6カ月、罰金300万円とした一審判決を破棄。懲役2年6カ月、罰金300万円に減刑した。

 判決によると、松崎被告はベネッセの子会社から業務委託を受けた「3次請負」として、顧客情報の管理システムの保守などを担当。2014年に派遣先の子会社内で顧客データベースに接続して名前や住所などの情報約3千万件を自分のスマートフォンに転送し、うち約1千万件を名簿業者に転送した。

 判決は、被告は子会社から直接、指揮命令を受ける「偽装請負」だったと指摘。その上で、被告は子会社に対して秘密を漏らさない義務を負っていたとした。一方で、顧客情報へのアクセスを制限したり異常を検知したりするシステムが機能せず、職場へのスマートフォンの持ち込みも禁止していなかった、など子会社の情報管理体制に不備があったと認定。「ベネッセのような大手企業が子会社を通じてこのような方法を採り、重要な企業秘密である顧客情報へのアクセスを許したことは、著しく不適切。被害が拡大した原因の一端はベネッセ側にもある」とした。

 ベネッセHDは「二度とこうした事態が起きないよう、引き続き顧客情報の安全・安心の徹底に尽くす」とコメントした。(志村英司)

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