がん治療法、血液の遺伝子検査で探る 臨床試験スタート

 東京医科歯科大病院は13日、血液20ミリリットルを使い、がんの遺伝子変異を調べる臨床試験を始めたと発表した。患者の遺伝情報(ゲノム)から治療法を探る「ゲノム医療」の一つで、遺伝子変異を特定して最適な治療法や薬を導き出す狙いがある。標準治療では救えない患者の治療につなげたいとしている。血液からがんの遺伝子変異を特定する臨床試験は国内で初めて。

 臨床試験は8月下旬に始まった。対象は標準治療が効かなかったがん患者や難治性のがん患者らで、2年間で500人に実施予定。検査費用39万円は患者が負担する。採取した血液を米国の検査会社に送ると約2週間で結果がわかる。

 同院腫瘍(しゅよう)センターの池田貞勝特任講師によると、死んだがん細胞から血液中に出されたDNAを調べることで、肺がんや大腸がんなどに関わる73の遺伝子の変異を見つけられるという。

 がんの遺伝子検査では、組織を採取する方法もあるが、血液検査は患者への体の負担が少なく、繰り返し実施できる利点がある。治療を続ける中で新たな変異が現れて治療効果が低下していないかも確認できる。

 米国で約1万人がこの検査を受けたところ、平均85%で遺伝子変異を検出できたという。ただ現在は、変異を特定できても、治療薬の開発や承認がされていないなどの理由で、日本で治療を受けられる人は1割程度とみられるという。

 池田さんは「米国では遺伝子変異が見つかった患者さんが参加できる臨床試験が日本よりも多い。日本でも早くそうなってほしい」と話している。(南宏美)

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