被爆地から「サッカーで平和を」 J1長崎の高田明社長

被爆地から「サッカーで平和を」 J1長崎の高田明社長

 サッカーJ1のV・ファーレン長崎社長で通販大手ジャパネットたかた創業者の高田明さん(69)は、「平和の創造」を旗印にチームづくりに取り組む。独特のトップセールスで世間に名を広めた起業家に、被爆地から世界へ発信したい平和への思いを聞いた。

 戦争を語ることだけが、平和をつくるのではありません。平和は日常の中の安らぎ、日々の生活から生まれてくると感じます。だから、日常の中にあるサッカーも平和を生み出せる。

 V・ファーレン長崎は、ミッション(使命)として「長崎から日本へ世界へ平和を」と掲げています。試合に行くと、勝っても負けても「強かったですね」「今度は負けませんよ」と声が飛び交い、そこから得られるものがある。勝ち負けはサッカーの夢を達成するための手段でしかない。

 ビジネスの経験をへて思うのは、人間、お金もうけだけでは死ぬ時に「幸せだった」とは思えないということ。どれだけの人と同じミッションを共有して、幸せを提供できるか。サッカーもビジネスも政治も、すべて共通すると思います。

 相手チームのサポーターが長崎へ来た時におもてなしをするとか、街ゆく子どもたちが自然にあいさつをするとか、チームに関わらない人も巻き込みたい。すべての長崎の人が平和を感じるようになって初めて、世界一のクラブと誇れる。

 人種差別、宗教対立、虐殺……。世界の問題について、学生のころから仲間たちとずいぶん議論してきました。戦後73年、どうして世の中にはそうした問題が続いているんだろうと、ずっと引っかかっています。

 核兵器も「なんで持つんだろう」とか「作らなきゃよかったのに」とか。でも、何十万人が一瞬で亡くなるものを今も世界は作り続けている。極端かもしれませんが、攻められるから持つという発想では核兵器は廃絶できない。でも、それがなかなか通用しないからこそ、相当な覚悟を持ったトップが現れないといけないのかもしれません。

 長崎と広島は、これからもっと語っていく必要がある。原爆のことを知らない世代が増える時代だからこそ、伝えていかなくちゃいけない。国も予算をドーンと出して、活動を応援してくれたらいいんですね。

 V・ファーレンは、平和のメッセージを語れる貴重なチーム。選手のユニホームにはユニセフの公式マークを入れ、子どもたちの人権擁護や平和につなげたいと願いを込めています。

 サンフレッチェ広島との2度目の「ピースマッチ」は8月11日に広島で開催します。広島と長崎が力を合わせれば、2倍じゃなくて5倍、10倍多くのみなさんに思いを伝えられるはずですよ。

     ◇

 国際平和シンポジウム「核兵器廃絶への道〜持続可能な平和のために」(朝日新聞社、長崎市、長崎平和推進協会主催)を今月28日、長崎原爆資料館ホールで開きます。高田さんは、田上富久・長崎市長との特別対談「愛と平和と一生懸命」で登壇します。聴講希望は郵便番号、住所、氏名、年齢、電話番号を書き、次のいずれかで。はがき(〒530・8211 朝日新聞大阪社会部・平和シンポ係)、ファクス(06・6232・2347)、メール(hibakusha@asahi.com)。(聞き手・田部愛、田井良洋)


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