宮城県気仙沼市で港町を見守る「おえびすさん」として漁業者らに親しまれながら、東日本大震災の津波で流された立ち恵比寿像が気仙沼港の海底で見つかり、14日、震災9年を前に引き揚げられた。

 「おえびすさん」は高さ約150センチ。左手にタイを持ち、釣りざおを握った右手を高く掲げ、気仙沼湾の奥にある岬に立っていた。1932年に建立されたが戦争で供出。漁業関係者らが88年に2代目として再建した。震災後、行方不明のままだったが、昨年11月に元々あった場所の数メートル沖で工事業者が発見した。

 この日、深さ約3メートルの海底からクレーン車で引き揚げられた像が姿を現すと、見守っていた住民から歓声が上がった。赤銅色だった像は、緑青が浮き出ていたが、傷みはほとんどなかった。

 所有する五十鈴神社の神山正志宮司は「気仙沼のシンボルで、漁業者の守り神でもあった。気仙沼の将来に希望が見えたようだ」。すでに3代目がつくられたため、2代目は境内への安置を検討するという。(佐々木達也)