広島地検は15日、河井案里参院議員(広島選挙区)の事務所など関係先の家宅捜索を始めた。案里氏は昨年7月の参院選で、選挙カーに乗る車上運動員に法定上限を超える報酬を支払った疑いがあると報じられ、大学教授や市民らが公職選挙法違反(買収)容疑で告発状を地検に提出していた。

 地検の係官らは午前9時すぎ、案里氏の夫で前法相の克行衆院議員の事務所(広島市安佐南区)に入った。午前10時半ごろには、広島市中区の案里氏の事務所にも入った。

 案里氏は昨年7月の参院選で初当選。市民らが提出した告発状などによると、この選挙で案里氏の陣営が車上運動員に対し、1日あたりの上限額に1万5千円上乗せして3万円を支払ったとされる。週刊文春(電子版)が同10月30日、こうした疑惑を報じていた。

 公選法と同法施行令は、選挙運動期間中に車上運動員に支給できる報酬を、1日につき1万5千円以内と定めている。関係者によると、地検は昨年末、選挙運動に関わった人物らに任意で事情聴取し、携帯電話の提供なども受けたという。

 車上運動員として勤務した女性は昨秋、朝日新聞の取材に、報酬は法定上限内(8日間で12万円)だったと述べ、違法性を否定。一方、「選挙カーをふくタオルなどを用意した」とし、「備品代」として選挙公示前に別途12万円を受け取ったとも説明していた。

 克行氏は文春報道翌日の昨年10月31日に法相を辞任した。報道について「私も妻も全くあずかり知らない。今後、しっかりと調査して説明責任を果たしてまいりたい」と述べていた。

 しかし、衆参両院によると、2人は11月の本会議に欠席届を提出。自民党の世耕弘成参院幹事長は12月6日、案里氏側から「自宅で療養が必要」との診断書とコメントが届いたことを明らかにした。同月25日には、案里氏事務所が朝日新聞の取材に「当局から協力を求められれば真摯(しんし)に対応し、説明する」とコメントを出していた。